受験シーズン直前…予備校が突然の閉鎖 「ニチガク」生徒や講師に困惑広がる
本格的な受験シーズンの直前に“予備校が突然の閉鎖”。こんな事態が実際に、東京・新宿の大学受験予備校「ニチガク」で起きました。生徒だけでなく講師にも、困惑が広がっています。
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年明け、異変があったのは東京・新宿区にある大学受験予備校「ニチガク」。
ニチガクの生徒 高校2年生
「きょうは傘一本だけ(予備校に)置いていたので、傘一本だけ取りにこようかなって。まだこれからって時だった…」
大学入学共通テストまで2週間を切ったこの時期に突然、閉鎖されたのです。
ニチガクの生徒 高校2年生
「急になくなってしまったので驚きと怒りがあります。もっと通いたかったです」
4か月前に入ったばかりの生徒も困惑していました。
4か月前に入会 ニチガクの生徒 高校2年生
「(授業料は)1年の一括払いで80万円とか。4か月通ったんですけど、60万くらい“持っていかれた”」
──返金の話は?
4か月前に入会 ニチガクの生徒 高校2年生
「何もないです。何もないです」
──新たに塾を探す?
4か月前に入会 ニチガクの生徒 高校2年生
「もう入らない。(塾に)入らずに頑張っていくしかないです」
予備校が入った建物内を6日に撮影した映像には、生徒が教室の扉を開けようとしますが、ドアは全て鍵がかかっていて入れなくなっていたという様子が映っていました。
受験を目前に控える高校3年生は…。
ニチガクの生徒 高校3年生
「年末30日まで行っていたんですけど、それまでは倒産の雰囲気とかなくて、いきなり終わってショック。(受験の)不安は大きい」
設立から40年以上となる「ニチガク」は、東京商工リサーチによると生徒数約130人。
2023年の大学合格率は9割を超え、東京大学や早稲田、慶応などの難関大学にも多数の合格者を輩出していたといいます。
何があったのか? 代理人弁護士によると「ニチガク」の運営会社は、生徒数の減少などで去年、資金難に。負債総額は約1億円。給与の未払いや授業料の返金についての見通しは立っておらず、現在は、破産申し立てに向けて調整しているということです。
今回の事態にニチガク側は「受験生や保護者に対してはこのような時期に非常にご迷惑をおかけして申し訳ありません」としています。
6日、校舎の張り紙を見つめていた男性は、この予備校の非常勤講師で、閉鎖を知らずに来たといいます。
ニチガク 非常勤講師
「半年以上前から危ないだろうと内々では言っていた。先生も逃げ出してたし、生徒も減っていたから。給与遅配が始まってましたから(閉鎖は)秒読み状態でした」
突然閉鎖したニチガク。実は、予備校の倒産はこれだけではありません。
東京商工リサーチによると、大学受験予備校などを含む「学習塾」の倒産は去年53件と、2000年以降、過去最多となったことが分かりました。
個別指導やオンラインなど、塾の形態が多様化し、競争が激化していることなどが理由で、倒産は今年も引き続き増える可能性があるということです。
(1月6日放送『news zero』より)