女性がん患者 卵巣冷凍保存で3人が出産
がん患者の卵巣を取り出して凍結保存し、がんの治療後、卵巣を体内に戻す臨床研究で、3人の女性が出産したことがわかりました。
聖マリアンナ医科大学によりますと、出産したのは30代から40代の乳がんや悪性リンパ腫を患った女性3人です。
抗がん剤などで卵巣の機能が低下するのを防ぐため、患者の卵巣を取り出して短冊状に切って凍結保存し、がんの治療が一段落したところで卵巣を体に移植し、3人は、それぞれ、2015年、去年、今年に出産したということです。
この研究を行っている鈴木直主任教授は、「当初より技術が進み、大人の女性は、いつでも卵子を取り出して保存できるが、卵子がまだ育っていない子どもにとっては、卵巣凍結が妊娠の可能性を保つ唯一の方法だ」と説明しています。
そして、「治療法として確立するのは、まだ先だが、小児がんに携わる医師らにも、 理解や協力を求めていきたい」と話しています。