「樹齢100年超える木も…」神宮外苑の再開発で“892本伐採”計画 見直し求める声も
今、神宮外苑(がいえん)のいちょう並木の一部が無くなる可能性があるといいます。東京都が行う再開発計画で、エリア内の樹木の伐採、移植が検討されているのです。「樹齢100年を超える木」もあり、計画の見直しを求める声もあがっています。
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秋には、一面黄色の世界になる神宮外苑のいちょう並木。毎年、景色を楽しむ人でにぎわいます。
しかし、実は今、いちょう並木の一部が無くなる可能性があるというのです。
そのワケは、東京都が行う再開発計画の影響です。
都によると、神宮球場とラグビー場を移設して建て替え、商業施設やオフィスなどが入る2つの高層ビルの新設などを計画しています。
これに伴い、事業者側が新宿区に提出した資料によると、再開発エリア内の1904本の樹木のうち892本を伐採し、新たに979本を植樹するというのです。
メインの通りから1本路地に入った部分のいちょう並木は移植が検討され、絵画館前の木の一部も、移植または伐採される可能性があるといいます。
9日、再開発計画は都の審議会で可決されました。約1か月後に正式決定します。
街の人は――
「残念ですね。ここは都心の中で 緑がいっぱい豊かで、新しく開発しちゃうのはもったいないかな」
「(再開発で)さらにこの辺がにぎわうと考えると、すてきな面もあると思う」
「自然は残してほしいかなという思いもあります」
街の発展には賛成しつつ、“自然は残してほしい”と願う声も聞かれました。
文化遺産保存の専門家や団体で構成される「日本イコモス国内委員会」は都に対し、「樹齢100年を超える木もある」「神宮外苑の文化的な景観を守っていくべき」と提言し、計画の見直しを求めています。
さまざまな意見がある中、 都市整備局土地利用計画課の谷内加寿子課長は「詳細な調査を行いまして、可能な限り移植するとかいうような形にしていきたい」と、人々の理解が得られるよう説明しながら進めたいとしています。