越前和紙のカレンダー 伝統の“ひっかけ技法”でデザイン 柔らかいタッチ、来年の干支を描く 越前市・山次製紙所
伝統の技法で来年の干支をデザインした越前和紙のカレンダーづくりが最盛期を迎えています。
縦71センチ、幅46センチの黒い越前和紙に、柔らかいタッチで描かれているのは来年の干支「ヘビ」です。越前市大滝町にある明治元年創業の山次製紙所では、30年余り前から伝統の「ひっかけ技法」を用いて、カレンダーを製作しています。
「ひっかけ技法」とは、和紙の繊維を金型にひっかけて絵柄の輪郭を作るもので、染料で染めた9色の繊維を流し込むことでデザインを完成させ、ベースの黒い和紙に移すことで完成となります。かつては多くの製紙所がこの技法を使って、カレンダーや和室の襖などを作っていましたが、手間がかかることなどから、今ではこの製紙所だけとなりました。
■山次製紙所 山下勝弘代表
「産地独特の技法。和紙のカレンダーは印刷されたものなどはあるけど、そうではなく、模様が特徴なんじゃないか」
カレンダーは11月末までに1万5000部を製作し、12月から越前和紙の里にあるパピルス館などで販売されるということです。