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【異常事態】ツキノワグマ出没急増 去年の2倍以上で過去最多 来年度には“保護”から“管理”対象へ移行 共存するための理解を

2024年6月10日 19:20
【異常事態】ツキノワグマ出没急増 去年の2倍以上で過去最多 来年度には“保護”から“管理”対象へ移行 共存するための理解を
目撃されたクマ=6月1日、南越前町

今年に入って県内でツキノワグマの出没が急増しています。4月と5月の出没件数は統計開始以降過去最多となり、去年の同じ時期の2倍以上に達しています。

クマの出没は冬眠前の秋というイメージがありますが、まさに異常事態です。専門家は餌となる木の実が凶作だったことが原因と分析していて、自治体も対応に追われています。

■わなの設置の様子
「ハチミツです。仕掛けに使います」

クマの目撃情報が寄せられたあわら市では10日、市の職員が山中にわなを設置しました。

■あわら市職員
「昨年度はこの時期にそれほど多く出没がなかった。昨年度は(今から)1か月後に檻の設置をしていた。こちらとしても気を張って注意喚起を行っている」

■クマを目撃した人
「食事を食べようかなと思って、昼ご飯の準備をしようと思ったら正面にクマがいた」
「恐かった。遠巻きだけど、結構大きいし、被害を聞いているから恐かった」

県内で相次いでいるツキノワグマの出没。4月と5月の出没件数は合わせて143件で、去年の同じ時期の2倍以上となっていて、統計開始して以降過去最多となっています。

冬眠前の秋ではなく、なぜ春先に大量に出没しているのか?クマの生態に詳しい専門家は。

■石川県立大学生物資源環境学部 大井徹特任教授
「昨年の秋の影響です。秋というのはクマがたくさん食べ物を食べて、冬眠のために準備をする期間ですが、福井県では重要な餌であるドングリ類が凶作・不作だった。そのために山の中に餌がなくて、里にクマがたくさん下りてきた。そのまま人里周辺に定着(冬眠)してしまったクマがいると思います。そうしたクマがこの時期活動が活発になって、目撃件数が増えたものと考えられます」

「この付近でクマが目撃されました。外出する時は十分に気を付けて下さい」

山あいだけでなく、市街地でも目撃されているクマ。6月に入ってからもすでに77件の目撃や痕跡が確認されるなど、異例の事態となっています。

■あわら市職員
「ここ一週間は毎日出ています。今日出たところ、町内を中心に回っている」

専門家は7月にかけて、さらに活動が活発になる恐れがあると指摘しています。

■石川県立大学生物資源環境学部 大井徹特任教授
「大人のオス熊がメスを求めて広く活発に活動を始める。同時に若い未成熟の1~2歳のクマが新たに自分の生活をする場所を求めて活発に移動する時期になる」

自分たちでできる注意点を以下にまとめました。
・山などにの入る際には、鈴やラジオなど音の出るものを用意すること。
・生ゴミなどクマを誘うものを屋外に放置しないこと。
・クマの潜み場となるヤブは刈り払うこと。

一方で、わなを多く設置するなど、捕獲対策を強化することはできないのが現状です。農作物に被害を及ぼすシカやイノシシなどと違って、ツキノワグマは法的には「保護」の対象となっていて、目撃情報が寄せられて、人身被害の恐れがある場所に設置することはできても、進んで山に入ってわなを設置することはできないのが現状です。

ただ、全国的にもクマの被害が相次いでいることを受けて、国が方針転換し、県も来年度から「保護」から個体数を「管理」する方向に舵を切ります。これによってクマが人里に現れる前に、山などに入ってわなを設置する積極的な対策が可能となります。

専門家は「クマはどんな時でも凶暴であるわけではない。人間がクマの行動を理解すれば、人身事故はある程度減らせる。長い進化の過程で生まれてきた動物を、簡単に殺して絶滅させることは決してあってはいけない。人間もクマの生態を理解し、共存していく考え方も重要」とコメントしています。

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