2024年に唯一帰還した大堀相馬焼の窯元 浪江町で新たに挑む陶吉郎窯・福島県
浪江町大堀地区は2年前の2023年に避難指示が解除されましたが日が落ちると街灯以外ほとんど灯りはありません。
というのもこの地区では伝統産業を守るため特例的に「大堀相馬焼」の窯元があった場所だけ避難指示が解除されたため、ここで暮らしている住民はいません。そんな地区で2024年に唯一、避難先から帰還した窯元があります。
故郷で大堀相馬焼の灯をともし続けていくため、挑戦を続ける窯元の思いを取材しました。
いわき市四倉にある陶吉郎窯。2023年3月。
■陶吉郎窯 近藤 学さん
「我々の言葉だと貫入、ヒビですよ。これが焼き上がって、表に出して外気と触れることによってこれが入ってくる」
独特なひび割れ模様、青ひびが特徴の大堀相馬焼です。
産地の浪江町大堀地区は2011年の原発事故で帰還困難区域に。
■ 近藤 学さん
「致し方ない状況だとはいえ、いわきで大堀相馬焼を作っていて、それって本当に伝統の継承につながるのかなと…」
再び故郷に大堀相馬焼の「灯」をともす…避難から10年以上が経った2023年の春、地区の一部で避難指示が解除になりました。
そして2024年3月15日。浪江町大堀地区。
■陶吉郎窯 近藤 学さん
「13年ぶりに大堀に戻ってきました」
2024年に新たな工房が完成し、近藤さんは、窯元として唯一故郷に帰還しました。
■近藤 学さん
「大堀相馬焼というのは、この大堀の地に伝統がある。やっぱりここでやるのが本来の姿という思い」
13年ぶりに戻った故郷で作る大堀相馬焼。
一方で、厳しい現実も…
■近藤 学さん
「周りの環境が13年前とまったく変わっている。もちろん人はいないし」
かつて20軒以上の窯元が軒を連ねていましたがいまは近藤さんただひとり。それでも…全国へ魅力を発信する活動や、浪江町内のフランス料理店と協力し伝統の器を使ってコース料理を提供するなど新たなつながりも生まれています。
■近藤 学さん
「私だけ、大堀だけじゃなくて、地域全体が盛り上がらないと成り立たない。地場産業は。そういう面ではこういった飲食の方とコラボしてこれからもどんどん発信していきたい」
故郷に工房を再建してからまもなく1年…ようやく動き始めたことも。
■近藤 学さん
「今回、調査事業で業者が持ってきたのがこれ。色が全然違うでしょ」
震災と原発事故の後、放射性物質などの影響で使えなくなってしまった地元産の粘土や鉱物。今後、使える体制を整えようと国の調査が始まっていて近藤さんも協力しています。
■近藤 学さん
「やっぱり伝統産業というのはもともとは地元の原料で全てまかなっていた、粘土も釉薬も。できる限り地元のものを使い続けられれば、それは一番ですよね」
この春からは工房で2人の研修生を受け入れ後継者を育てていきます。
■近藤 学さん
「ここに戻ってきたということは、ここでまた未来永劫、何百年も大堀相馬焼をつないでいきたいという思い」
というのもこの地区では伝統産業を守るため特例的に「大堀相馬焼」の窯元があった場所だけ避難指示が解除されたため、ここで暮らしている住民はいません。そんな地区で2024年に唯一、避難先から帰還した窯元があります。
故郷で大堀相馬焼の灯をともし続けていくため、挑戦を続ける窯元の思いを取材しました。
いわき市四倉にある陶吉郎窯。2023年3月。
■陶吉郎窯 近藤 学さん
「我々の言葉だと貫入、ヒビですよ。これが焼き上がって、表に出して外気と触れることによってこれが入ってくる」
独特なひび割れ模様、青ひびが特徴の大堀相馬焼です。
産地の浪江町大堀地区は2011年の原発事故で帰還困難区域に。
■ 近藤 学さん
「致し方ない状況だとはいえ、いわきで大堀相馬焼を作っていて、それって本当に伝統の継承につながるのかなと…」
再び故郷に大堀相馬焼の「灯」をともす…避難から10年以上が経った2023年の春、地区の一部で避難指示が解除になりました。
そして2024年3月15日。浪江町大堀地区。
■陶吉郎窯 近藤 学さん
「13年ぶりに大堀に戻ってきました」
2024年に新たな工房が完成し、近藤さんは、窯元として唯一故郷に帰還しました。
■近藤 学さん
「大堀相馬焼というのは、この大堀の地に伝統がある。やっぱりここでやるのが本来の姿という思い」
13年ぶりに戻った故郷で作る大堀相馬焼。
一方で、厳しい現実も…
■近藤 学さん
「周りの環境が13年前とまったく変わっている。もちろん人はいないし」
かつて20軒以上の窯元が軒を連ねていましたがいまは近藤さんただひとり。それでも…全国へ魅力を発信する活動や、浪江町内のフランス料理店と協力し伝統の器を使ってコース料理を提供するなど新たなつながりも生まれています。
■近藤 学さん
「私だけ、大堀だけじゃなくて、地域全体が盛り上がらないと成り立たない。地場産業は。そういう面ではこういった飲食の方とコラボしてこれからもどんどん発信していきたい」
故郷に工房を再建してからまもなく1年…ようやく動き始めたことも。
■近藤 学さん
「今回、調査事業で業者が持ってきたのがこれ。色が全然違うでしょ」
震災と原発事故の後、放射性物質などの影響で使えなくなってしまった地元産の粘土や鉱物。今後、使える体制を整えようと国の調査が始まっていて近藤さんも協力しています。
■近藤 学さん
「やっぱり伝統産業というのはもともとは地元の原料で全てまかなっていた、粘土も釉薬も。できる限り地元のものを使い続けられれば、それは一番ですよね」
この春からは工房で2人の研修生を受け入れ後継者を育てていきます。
■近藤 学さん
「ここに戻ってきたということは、ここでまた未来永劫、何百年も大堀相馬焼をつないでいきたいという思い」
最終更新日:2025年3月7日 19:21