「凛とした姿勢だからこそたくさんの作品を世に送り出せた」詩人・谷川俊太郎さん死去 福島県内からも惜しむ声
日本を代表する詩人の谷川俊太郎さんが老衰のため亡くなったことがわかりました。92歳でした。
谷川さんは「二十億光年の孤独」など多くの詩を手がけ、「生きる」は40年以上にわたり小学校の国語の教科書に掲載され続けました。
また、詩人としてだけでなくアメリカの絵本作家が出版した「スイミー」の翻訳やアニメ「鉄腕アトム」の主題歌を作詞するなど活躍は多岐にわたりました。親族によりますと、11月13日、老衰のため92歳で亡くなったということです。
谷川さんはこれまで度々、福島県内を訪れ子どもたちが詩を学ぶ「詩の寺子屋」や朗読会などにも参加しました。谷川さんと親交のある福島市の詩人で国語教師の和合亮一さんは…。
■和合亮一さん(56)
「私にとって大きな背中という存在が失われてしまったという喪失感でいっぱいで、今のところは、茫然としているところなんですけど」
二人の交流は25年ほどにわたり、谷川さんが詩の魅力を改めて教えてくれたと話します。
■和合亮一さん(56)
「詩というものに関しては非常に厳しいものがあって、詩や創作に関してのお話をお伺いするときはやっぱりどこか緊張して。凛としたそういう姿勢を持ち続けていらっしゃったからこそ、本当にたくさんの作品を世に送り出していったのではないかなと思います」
また、谷川さんは県内の様々な学校の校歌も手がけています。2022年に開校した大熊町の義務教育学校「学び舎 ゆめの森」もその1つです。谷川さんは震災前から大熊町に訪れていて子どもたちが「校歌の歌詞を書いてほしい」と手紙でお願いすると快く引き受けてくれたといいます。訃報を受け、校舎の一角には谷川さんを追悼するコーナーが設けられていました。
■学び舎 ゆめの森 南郷市兵校長
「子どもたちにとって生きる道しるべになるようなとても素敵な詩を頂いております。今ありがとうございますという感謝の気持ちがいっぱいですね」
葬儀は近親者のみで執り行われ、後日お別れの会が開かれる予定だということです。