新居のマンション購入を巡り夫婦の間に金銭トラブル もめごとで2度の警察沙汰も 女性教諭を殺害した疑いで再逮捕の夫 福岡
去年10月、福岡県久留米市のマンションで小学校教諭の女性の遺体が見つかった事件です。死体遺棄の罪で起訴された夫が、初公判を終えた当日に殺人の疑いで再逮捕されるという異例の展開をたどりました。事件の背景には何があったのでしょうか。
14日、殺人の疑いで送検された住居不詳の無職渡辺司容疑者(41)は、去年9月、久留米市の自宅で妻で小学校教諭の彩さん(当時35)を首を圧迫するなどして、殺害した疑いが持たれています。
【初公判後の異例の再逮捕】
事件は去年10月、彩さんの遺体が自宅から発見され発覚しました。遺体はおよそ1か月放置されていたとみられ、腐敗が進んでいたため司法解剖でも死因は分かりませんでした。
警察は、夫の渡辺容疑者を死体遺棄の疑いで逮捕します。彩さん殺害を視野に捜査していましたが、渡辺容疑者から彩さんの死に関与したという明確な供述はなく、死体遺棄の罪のみで起訴されました。
ただ、警察は彩さんに病歴がなく、また自殺する理由が見当たらないことなどから、起訴後も殺人事件の疑いが残るとして捜査を続けてきました。
その後、警察は彩さんの死因を「窒息」と特定しました。遺体の発見からおよそ3か月たった先週の金曜夕方、警察は渡辺容疑者を、彩さんの首を圧迫し殺害したとして殺人の疑いで逮捕しました。渡辺容疑者はその日、死体遺棄の罪での初公判を迎え、裁判を終えた直後の逮捕でした。
【相次ぐ夫婦間でのトラブル】
渡辺容疑者は、彩さんの遺体を放置した理由について、検察に対し「妻との関係から埋葬しようという気持ちになれなかった」と話しているといいます。
2015年と2020年に2度、夫婦間のもめごとで“警察沙汰”になったこともあるということです。
捜査関係者によりますと、彩さん死亡の時期と同じころ、夫婦の間で新居のマンション購入を巡り金銭トラブルがあったといいます。
渡辺容疑者は警察の調べに対し、殺人容疑の認否について「弁護士に相談してから決めます」と留保しているということです。
警察は動機などについて調べを進めています。