シリーズ『こどものミライ』 10歳で世界大会優勝!フェンシングのスーパー小学生 佐賀
真っ白い防具に身を包み、自分より体の大きな選手を相手に剣を振るうのは、野方莉希(のがたらいき)さん(10)、佐賀市に住む小学4年生です。
莉希さんがフェンシングと出会ったのは、小学校2年生の時でした。フェンシングの練習場を通りかかったとき、窓から見えた剣さばきに“一目惚れ”し、莉希さん自ら、母親にやってみたいと直談判したそうです。
■野方莉希さん(10)
「技とかがすごくかっこよくて。」
莉希さんは毎日4時間半、中学生や高校生、社会人に混ざって練習に打ち込んでいます。
■先輩
「強いアタック(攻撃)持っているなら、追い込んだら最後までそのアタックをする。」
年上の選手からアドバイスを受ける姿は、まさにアスリートそのものです。
自宅でもフェンシング漬けの毎日です。
莉希さんの日課は、朝の玄関掃除です。母親の美和さんから「運は玄関から入ってくるから」といわれ、始めたそうです。
さらに毎朝の走り込みで体力を強化したり、一流選手の動画を見て分析したりと、10歳にしてストイックにフェンシングに打ち込んでいます。
その向上心の強さには、練習仲間の大人たちも舌を巻いています。
■雨田由香さん(23)
「練習量は人一倍すごい。すごいフェンシングに熱中して、私生活でも意識しながら生活しているというのは(自分が)10歳の頃では考えられない。」
フェンシングを始めて2年半、めきめきと力をつけた莉希さんは、ことし8月、香港で開かれた10歳以下の世界大会に出場し、見事優勝を果たしました。
莉希さんの武器は低い位置から繰り出す、鋭く正確な剣さばきです。その得意技を、実際に体験させてもらいました。
■石田旭昇アナウンサー
「真っ直ぐくるんじゃなくて、後ろから剣が出てきました。これちなみになんていう技?」
■莉希さん
「プリムっていう技です。」
世界チャンピオンと言っても、まだ小学4年生です。マスクを脱ぐと、普通の10歳の姿がありました。
■莉希さん
「きょうは漢ド(漢字ドリル)と算プリ(算数プリント)。」
■母・美和さん
「恥ずかしいんやね。」
口数の少ない莉希さんですが、フェンシングの話になると内に秘めた思いがあふれ出ます。
■莉希さん
「(Q. 何をしているときが楽しい?)フェンシング。自分が頭の中で考えた技を出して成功したときが(うれしい)。」
■母・美和さん
「純粋にうれしいなと思いながら成長を見ている感じですかね。学んでほしいことはですね、やっぱり協力して目標を達成したりとか、勝つ喜びをみんなで分かち合ってほしい。」
■莉希さん
「将来の夢は世界でフェンシングで日本代表になって世界で活躍すること。オリンピックも金メダルをとりたい。」
佐賀から世界へ、小さな剣士は夢に向かって突き進みます。