運転席からの『死角』に驚き 福岡県内で事故多発受け 高齢ドライバー向け講習会
福岡県内ではことしに入り、高齢ドライバーによる事故が多発しています。この状況を受けて福岡市は、65歳以上の市民を対象に安全運転のための講習会を開きました。
福岡市やJAFが19日に開催した講習会には、67歳~85歳までの男女22人が参加しました。
運転席からの『死角』を知ってもらおうという実技講習では、車の前後・左右に、約30本の三角コーンが並べられました。
■山本竜誠記者
「運転席から何本くらい見えると思う?」
■参加者(70代)
「4か所くらい。」
■山本記者
「見える自信がある?」
■参加者
「はい。」
自信があると言っていた男性が、実際に乗車して確認してみます。
■参加者
「思いのほか全然見えない。」
30本のコーンは、すべて運転席からは死角にあり、一つも見えませんでした。
■参加者
「頭の中では何か所かは見えると思った。あまりに差が大きくショックです。前は特に小さい子いた場合には、ほとんど死角ですから怖いです。後方もバックするときに後ろの後方まで見えないから、あそこの後ろに子どもとか年配者がいたら怖いと思います。」
福岡県内ではことしに入って9月末までに高齢者が運転する車の事故が3538件起きていて、去年の同じ時期と比べ、232件増えています。
■JAF福岡支部 事業課交通環境係・廣瀬翔さん
「加齢に伴って、人間が運転に必要な認知・判断・操作、こういった能力の衰えや遅れ、 これはどうしても出てきてしまうことは仕方がない。ただこうした講習会の中で、自分の能力がいまこれぐらいのところにあるんだと自覚して、そのうえでスピードを落としたり、車間距離をとったり、普段よりも安全を心がけた運転をしていただくことによって事故のリスクを下げることができます。」