「とられた瞬間に引っかき傷」大型の鳥トビに食べ物を奪われる被害相次ぐ 公園でのエサやりが原因か
福岡市の大濠公園に最近、大型の野鳥、トビが数多く集まっています。中には食べ物を奪われたり、ケガをしたりする被害も出ています。
福岡市のオアシス「大濠公園」は憩いの場として親しまれていますが、いま、大きな問題が起きています。
■辻啓之ディレクター
「あー見てください。公園の上で大きな鳥が旋回しています。うわ、大きい。」
専門家によりますと、タカの仲間のトビと見られます。
■辻ディレクター
「上空には大量の鳥です。」
ランチ時になると、どこからともなく何羽ものトビが集まってきました。大濠公園ではいま、トビに食べ物が奪われる被害が相次いでいます。
■大濠・西公園管理事務所・川口裕さん
「手に持っていた物を取られた瞬間に引っかき傷ができたり、食べていた物を取っていかれたり、そういう被害が多いですね。」
■訪れた人
「3回、パンとかハンバーガーとか、取られたことはないけれど、ここまで来た。怖いですよね。」
トビは翼を広げると1メートル60センチほどになります。雑食性のため、自然界の“掃除屋”ともいわれ、人が食べているものを奪うこともあります。
なぜ、大濠公園でトビによる被害が増えてきたのでしょうか。
■辻ディレクター
「男性がエサをやっていますね。」
男性が投げたエサを素早くキャッチ。一瞬の出来事です。専門家は、人間のエサやりによってトビが大濠公園に増えたと指摘します。
■久留米市鳥類センター 飼育員・西坂繁男さん
「人が持っているものが食べられる、もらえるという感じで、取っていく可能性があると思います。違う仲間がどんどん増えてくるという悪い状況になる可能性があります。」
大濠公園では、利用者による鳥などへのエサやりは禁止しています。公園の担当者も、エサやりをする人に注意をしています。
■川口さん
「頻繁に見かける方は、なかなか辞めていただけないのが現状で、注意されたときはやめるけれど、また同じ方を見るというような、いたちごっこみたいになっています。」
注意しても、エサやりを繰り返しているといいます。
取材中にエサやりをしていた人に話を聞きました。
■辻ディレクター
「エサをやったらダメなのですが、知っていました?」
■男性
「知らん。」
■辻ディレクター
「結構やっていますか?」
■男性
「毎日。唯一の楽しみやもん、エサやるの。」
■辻ディレクター
「ダメらしいですけどね、エサを。」
■男性
「楽しんできているのよ、癒やされるから。」
専門家によりますと、トビは爪が鋭く、食べ物を奪われた際にケガをする恐れもあるといいます。公園の担当者は「絶対にエサをやらないでほしい」と呼びかけています。