名将が率いる銀河学院高校女子駅伝部 選手と監督の心を一つに「都大路」を駆け抜ける!【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。有田優理香アナウンサーが、全国高校駅伝に出場する広島県代表の女子駅伝部をプレゼンします。
全国高校駅伝は通称「都大路」と呼ばれ、各県や地区の代表が京都を舞台に駅伝日本一を競います。2024年は、広島県福山市の銀河学院高校が出場します。2年連続で2度目の出場となり、2023年は、中国地区代表として初出場で9位でした。
率いるのは森政芳寿(もりまさ・よしとし)監督で、かつて岡山・興譲館高校を2度全国優勝に導いた名将です。
■銀河学院高校 森政芳寿監督
「1区予定の細見選手を中心に、まとまりがあるチームじゃないかなと思っています。のびのびと自分らしい走りで、笑顔でゴール。粘っこいレースをしてもらいたいなと思っています。」
さらに力をつけた2024年は、広島県大会初優勝を果たしました。2度目の全国高校駅伝では、入賞を目指します。
■銀河学院高校3年 主将・細見芽生さん
「去年の入賞出来なかった悔しさを胸に1年間練習してきたので、今年は入賞してみんなで笑顔で終わりたいなと思います。」
2023年は「中国地区の代表枠」としての出場でしたが、2024年は広島県大会初優勝で堂々の「広島県代表枠」としての出場となります。駅伝のイメージがなかった学校ですが、2019年に駅伝日本一にも導いたことのある森政監督が就任して、強化が始まりました。2024年の駅伝では、15連覇中のライバル・世羅高校を破り、見事県代表を勝ち取りました。
2023年は、全国初出場ながら2区を終えた時点で3位でした。この快走にSNSでは、銀河学院がトレンドに急浮上し「ガンダムに出てきそう!」「かっこいい学校名」など盛り上がりを見せ、一時学校のホームページがつながりにくい状況になりました。駅伝の活躍がきっかけとなり、全国の人たちの注目を集めました。
銀河学院高校女子駅伝部の強さのヒミツ、ここにアーリー!
銀河学院高校女子駅伝部の強さのヒミツは、「去年のくやしさ」と「監督の存在」の2つです。
まず、1つ目の「去年の悔しさ」についてです。入賞は8位までとなりますが、2023年は9位となり、8位の高校との差はわずか3秒で、あと一歩及びませんでした。選手たちの中では、初出場で9位の喜び以上に、3秒届かなかった悔しさの方が大きかったことから、この1年間で鍛錬はもちろん、精神面も鍛えました。
その精神面は、駅伝シーズン前の9月に始めた「誰かじゃなくて私がやる。気持ちで勝ち取る日本一。」という、円陣を組んだ声出しに表れています。出場する選手も、しない選手も「都大路」のために気持ちを1つに、そして「駅伝はチームスポーツ」という森政監督の心情も落とし込みながら、鍛錬に励んできました。
続いて、2つ目の「森政監督の存在」についてです。岡山・興譲館高校を2度日本一に導いただけでなく、女子10,000m日本代表の新谷仁美選手などオリンピアンを育てた名将です。しかし、銀河学院に就任した当時は、選手も集まっていなければ、環境面も整っておらず、選手と一緒に監督自身もグラウンドにラインを引くところから始めたそうです。監督の喜びは「選手自ら動いてくれることが、指導者としての嬉しい瞬間で、優勝インタビューを受けることも嬉しいけれど、今はまた違った喜びがある。」と話していました。
監督は、銀河学院高校に就任してから毎朝3時に起床し、寮に住む選手のために朝食を作っています。監督は料理をしていませんでしたが、環境面が整っていないことで、朝食も用意できないため「自分が作るしかない」と始めたそうです。今では、豊富な品数を揃えられますが、最初は料理が苦手で包丁を持つ時間も少なく、料理を続けているうちに「腱鞘炎になった」と話していました。
目標は「都大路で去年を上回る最高の走りを!」です。全国高校駅伝は、12月22日(日)に行われます。銀河学院の躍進と活躍から、今後も目が離せません!