高校サッカーで培った「諦めない心」 プロとしてインドネシアで大活躍! 夢をつかんだ丸川太誠選手とは!?【アナたにプレゼン・テレビ派】
広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。有田優理香アナウンサーが、広島県の高校サッカー出身で、異国の地でプロの夢を叶えたサッカー選手をプレゼンします。
広島県立広島皆実高校出身の丸川太誠(まるかわ・たいせい)選手、27歳です。丸川選手が注目されたのは、2014年の高校サッカー選手権広島県大会の決勝でした。ブラジル代表のネイマール選手も得意とした「ヒールリフト」という技で、2人を抜いてゴールを狙いました。その場面を振り返ってもらいました。
■インドネシア1部 デワ・ユナイテッド 丸川太誠選手
「歓声がすごくて、僕のサッカー人生でも結構上位に残る思い出のシーンでしたね。学校の友達が応援してくれて、違う高校と対戦するのは、高校時代しか経験できないようなことなので。とにかく楽しい3年間だったなという記憶がありますね。」
丸川選手は現在、東南アジアのインドネシアでプレーをしています。インドネシアのFIFAランキングは130位ですが、ワールドカップの最終予選に出場するなど、近年力をつけてきたリーグです。丸川選手の夢はもちろんJリーガーでしたが、高校・大学卒業後にJリーグのクラブから、声がかかりませんでした。就職活動を経て大手企業に内定しましたが、プロサッカー選手の夢を諦めることができず、2019年にヨーロッパの小国・マルタで、プロのキャリアをスタートさせました。さらに次のステップアップを考え、2021年にインドネシアに渡り、人生が一変します。2021-22シーズンの32試合で17ゴール10アシストと、2試合に1回ゴールを決めるようなペースの記録をマークし、リーグの年間最優秀選手に選出されました。
なぜ、丸川選手がこのように活躍することができたのでしょうか。丸川選手自身は「自分の武器『ドリブル』を生かすことができたから」と話しています。インドネシアでは「外国人の助っ人」として、結果を残さなければ契約を切る厳しい世界です。同じ助っ人にはブラジル人もいることから「どのように点を取っていくのか」を考え、自分の強みを生かすことで生き残りました。
丸川選手の活躍を押ししたのが、インドネシアのサッカー文化でした。試合会場へ移動する時には、選手の活躍を期待するファンに囲まれ、バスが動けないこともあるそうです。サッカー熱が高いことから、相手チームのファンからは、石が投げられることもあると言います。選手たちは、時折護送車で移動しないと危険と言われています。
また、丸川選手が年間最優秀選手に選出されると、インスタグラムのフォロワー数が1000人から、40万人近くまで上がりました。丸川選手は、給料もJリーガー並に支給されており、インドネシアの自宅にはプールが付いているそうで「夢しかない!」と話していました。丸川選手の実力が、しっかり認められているということです。
丸川選手は、このような活躍について「高校サッカー」が根底にあるとしています。「『俺ならできる。自信を持って最後まで諦めない心』。これは、広島皆実高校時代に培ったもの。」と話していました。
丸川選手について、恩師の現・安芸南高校の藤井潔監督は「良い時のプレーをコンスタントに出せるようになったら、プロを目指せると思っていた。今後のキャリアを考える高校生は、太誠の生き方を見るようになる。」と、同じく恩師の現・国泰寺高校の河江俊明監督は「高校時代から色んなイメージを持ってプレーできる選手だった。「余裕を持って遊びなさい」と言ってきた。」と話していました。
新たな選択肢を切り開いている丸川選手の夢は「インドネシアリーグで優勝して、アジアの戦いACL2で、Jリーグのクラブをインドネシア代表チームとして倒したい!」と、まだまだ続きます。
丸川選手も活躍した高校サッカー選手権の広島県大会決勝戦は、11月10日(日)に、エディオンピースウイング広島で行われます。チケットは、当日現地で販売されます。高校サッカー選手権は、103回の歴史を数え、数々のドラマが生まれてきました。丸川選手のように、高校生の夢につながる熱い戦いに注目です。