水産物の消費拡大に向け主に加工品を対象とした商談会開催 広島市中央卸売市場 広島
全国の魚を取り扱う卸売業者が、水産物の消費拡大に向け主に加工品を対象とした商談会を開きました。
消費拡大に向け魚の卸売業者が商談会を開き、素材を生かした水産加工品が並びました。
広島市の中央卸売市場には干物のほか、鮮度の高い状態で加工した魚介など、およそ700点が並び、それを扱うスーパーや飲食店などが参加しました。
注目はこのイカ。全国的に水揚げが減少するなか、これまであまり使われなかった口や目の部分を冷凍加工技術により刺身として提供します。
■お好み焼き ちんちくりん 川上 博章さん
「冷凍から解凍してすぐ出せたり結構オペレーションもなんかよく考えられた商品だな と思ってすごく興味があります。早速試してみたいです。」
■広島魚市場 佐々木 猛 社長
「まだまだ日の目を見てないとい うか、眠っている魚もあります ので、そういったものをどう美 味しく食べていただくかってい うのが我々のやはり仕事だろう というふうに思っております」
現場で感じたのは魚の加工に対する力の入れ方です。
魚の仕入れを担う卸売業者の広島魚市場も市場の外に自社の加工部門を持ちます。ここで内臓や鱗を取って3枚に卸した状態でスーパーなどに提供している。
これは社会の2つの実態を表している。
まず①つはスーパー自体に魚を卸せる人がいなくなったということ。スーパーも働き手不足が深刻で、なるべく簡単に店頭に並べられることを望む。
ただ、卸売業者にとっては魚を捌くなど、本来はしなくていい仕事ですよね?
そうも言っていられない水産業界の現状があるんです。
②つめは入荷量の減少です。広島市中央卸売市場でも鮮魚に関してはこの10年で半分に減った。(約1万9625トンから約9866トン)
以前は時期によって大量入荷した場合、残りをたたき売りをしていたが、今はすぐに加工して必要な時に出荷する。資源の有効活用ができるとともに魚の値段を下げずに済む。漁師さんにも還元できる仕組みをつくる。
我々としても手に入るのが当たり前だと思っていた魚に対する向き合い方についても考える必要もあるかもしれません。
【2024年9月3日 放送】