県内では最大約11万1400戸が停電 四国の大規模停電はなぜ起きたのか?【徳島】
電気が復旧したのは約1時間半後と、停電時間が長かったこともあり不安な思いで過ごした方も多かったと思います。
停電の原因はいったい何だったのでしょうか?
11月9日午後8時22分
(河野将明記者)
「さきほど家にいたところ突然停電しました。一部消えている信号機もあります。普段ついている街灯も消えてしまっています」
11月9日土曜日夜8時22分、四国4県で大規模な停電が発生、徳島県内では県北部から県西部にかけての広い範囲で最大約11万1400戸が停電しました。
国道や県道などの信号機のあかりが消え、コンビニも店舗の看板照明などが消えてうす暗い非常用の照明だけに。
停電の体験者は
徳島県藍住町の大型ショッピングセンターにいた男性が停電当時の様子を撮影していました。
この男性によりますと、「すぐに非常用の照明にかわって、大きな混乱はなかった」ということですが、外の駐車場などは真っ暗だったということです。
(男性)
「外出ても真っ暗で、キャンプ用のライト使いました」
(女性)
「お風呂に浸かってて急に真っ暗になった。とりあえず浸かっとこう」
(親子)
「びっくりした、めちゃくちゃびっくりした。自分たちの防災リュックを背負ったりして、ちょっと微笑ましかった」
徳島阿波おどり空港も停電に、駐機場の誘導灯などが消えました。
居合わせたという、シンガーソングライターの皆谷尚美さんは。
(空港で停電した 皆谷尚美さん)
「着陸したときは普通だったんですけど、みんなが降りる段階で『地上からのご案内です』みたいなのが入って、『ただいま徳島全域で停電中です』。乗務員もペンライトで足元照らしてて、階段のところとか通路とか見たら到着ロビーとかも真っ暗で、私はスーツケース預けてたのでコンベアが動かずずっと待って、トイレ行こうと思ったらトイレも封鎖されて使えず」
四国で36万戸あまりの大規模停電
電気の送配電事業を担っている四国電力送配電によりますと、今回、徳島県内では11万1400戸が停電、このほか、愛媛県で11万1900戸、高知県で7万9500戸、香川県で6万2500戸が停電し、あわせると36万5300戸の大規模な停電となりました。
また、徳島県内の停電は県北部から県西部にかけての5市9町に及び、主なところでは徳島市で約4万1600戸、藍住町で約1万7800戸、北島町で約8900戸、美馬市で約5100戸、三好市で約1500戸などとなっています。
( 一楽泰志記者)
「午後10時、北島町の様子です。現在は停電が復旧しています」
9日夜9時過ぎの徳島市内の映像を見ると、次第にあかりがついてくのがわかります。
完全に電気が復旧したのは、夜9時49分。
実に停電発生から約1時間半後でした。
徳島県のまとめによりますと、停電により徳島市で100歳の女性が、石井町で87歳の女性が、それぞれ自宅で転倒し救急搬送されたということです。
また、信号が消えているなど約100件の110番通報があったということですが、事故などは無かったということです。
なぜ、これほど大規模な停電が発生したのか?
しかしなぜ、これほど大規模な停電が発生したのでしょうか?
四国電力送配電によりますと、四国と本州の間には「瀬戸大橋」と「紀伊水道の海底」に敷かれた送電線があり、四国と本州との間で電力を共有しあっています。
しかし、9日土曜日の午後、瀬戸大橋側でトラブルが発生し、紀伊水道側のみで電力を共有していたところ、なんらかの原因で本州に送る電力が急増し、四国内の電力が不足する事態となりました。
このため、電力の供給をストップする装置が働き、停電につながったというわけです。
本州に送る電力が急激に増えた詳しい原因について、四国電力送配電は「調査中」としていて、近く説明の場を設ける予定と話しています。
大規模で長時間の停電が発生した場合の注意点
今回のような大規模で長時間の停電、慌て方も多いかと思いますが、同じような停電が発生した時の主な注意点をまとめました。
停電が自分の家だけでないことを確認したうえで、まず「電化製品のコンセントを抜く」、電気が復旧する際に一気に電流が流れ、火災が発生することを防ぐためです。
次に「ろうそくは使わない」、これも火災につながる恐れがあります。
停電に備え、懐中電灯やランタンなどを事前に準備しておいてください。
そして貴重な連絡ツールとなる「携帯電話は省電力モードに」、充電用のモバイルバッテリーも事前に準備しておくと大事な備えとなります。
このほか、停電時の情報収集源となるラジオも、ぜひ事前に準備しておいてください。