熊本市電が一部増便 運転士不足で去年"過去最大規模"の減便 昨年度の利用者満足度は過去最低
■緒方大樹記者
「7日午前8時過ぎの新水前寺駅です。JRの車両が到着し、多くの人が市電の電停に向かっています」
熊本市電では、運転士不足などを理由に去年6月から合計183本と過去最大規模の減便ダイヤで運行していました。今回のダイヤ改正では、平日に11本、土曜に4本、日曜・祝日に5本の合計20本を増便しました。
新水前寺駅前電停では、朝のラッシュ時に乗客が車両に乗りきれない「積み残し」が課題となっていて、熊本市交通局は7日から新水前寺駅前電停始発便1本(午前8時22分発・田崎橋行き)を増便しました。
■市電利用者
「便利になると思います。人が(増便された)1本にも結構乗ると思うので」
■市電利用者
「人が多くて乗りづらい時に、次の便で移動することができるようになるので、いいのではないか」
この他、ダイヤ改正で最終便の出発時間が15分から30分ほど遅くなりました。
【スタジオ】
(永島由菜キャスター)
運転士の育成が進んだことなどで今回の増便となりましたが、減便していた183便のうち20の増便にとどまっています。熊本市交通局は、運転士や車両の確保を進め、元の本数に戻したいとしています。
(緒方太郎キャスター)
一方で、このようなデータもあります。熊本市交通局が毎年行っているアンケートの結果です。
2024年度の調査では、運行ダイヤや運賃など7項目について算出した「満足度」が51.3%で、データが確認できる2009年以降、最低となりました。逆に「不満足度」は23.7%で、前年の倍以上となり、こちらも過去16年間でもっとも悪い値となりました。
(永島由菜キャスター)
開業100周年を迎えた2024年度の目標値として、熊本交通局は「満足度70%」を掲げていましたが、これを20ポイント近く下回っていますね。
(緒方太郎キャスター)
今回の結果について、熊本交通局は、昨年度の大幅な減便や運行トラブルが相次いだことが原因だと分析しています。
今回のアンケートでは、利用者から2300件もの改善や要望が出されました。トラブル続きに落胆しながらも、「少しでも市電に良くなってほしい」という願いの表れです。信頼回復と利便性向上という命題のために、改善を積み重ねてほしいと思います。