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元町議殺害事件「強盗殺人」などの疑いで逮捕した男2人を「強盗致死」などの罪で起訴

2024年7月19日 19:10
元町議殺害事件「強盗殺人」などの疑いで逮捕した男2人を「強盗致死」などの罪で起訴

3年前、熊本市南区城南町で元町議の男性が殺害された事件で、熊本地検は実行役として逮捕された男2人を19日、強盗致死などの罪で起訴しました。

この事件は2021年5月、熊本市南区城南町の住宅で、元町議の中村尊徳さんが殺害され、金庫や軽トラックなどが奪われたものです。

警察は捜査本部を設置し、延べ3万人以上を投入して捜査していました。そして発生から3年あまりがたった6月30日、事件の実行役として男2人を強盗殺人などの疑いで逮捕しました。そして19日、熊本地検は、熊本市中央区渡鹿の無職・陳野直也被告(43)と八代市鏡町の塗装工・上田亨被告(41)を、罪名を強盗致死などに切り替えて起訴しました。

起訴状によりますと、2人は事件当日の午後10時過ぎから翌日の午前6時過ぎまでの間に中村尊徳さんの事務所と住宅に侵入。中村さんの両手首と両足首をビニールひもで縛り、粘着テープで口と鼻を塞ぐなどの暴行を加えて死亡させ、金庫や軽トラックなどを奪ったとされています。

熊本地検は、強盗致死での起訴に切り替えたことについて、「殺意が十分に立証できる証拠収集ができなかった」とし、2人の認否については明らかにしていません。

また捜査関係者によりますと、供述に基づき熊本県南の海を捜索した結果、盗まれたものと同じシリアルナンバーの金庫が見つかったということです。

2人は事件現場までオートバイに2人乗りで向かい、現場から持ち出した金庫を中村さんの軽トラックに乗せたとみられます。その後、オートバイと軽トラックに分かれて現場を離れ、約5キロ離れた宇土市に軽トラックを乗り捨てたということです。この前後に、金庫を海に捨てて証拠隠滅を図ったとみられます。

警察は他に関連した人物がいないか慎重に捜査しています。

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
2人の被告は、強盗致死などの罪で起訴されました。逮捕された時点では強盗殺人の疑いだったのですが、どう違うのでしょうか。

強盗殺人罪と強盗致死罪の大きな違いは、「強盗をした時点で殺す意思があったかどうか」です。強盗殺人罪は被害者への「殺意」があり強盗をした罪で、強盗致死罪は強盗をした結果、被害者が死亡した罪で、今回はこちらが適用されました。

(平井友莉キャスター)
つまり、今回は、被害者への殺意は無かったということになるのですか?

(緒方キャスター)
熊本地検がそう判断したことになります。熊本地検は、「殺意が十分に立証できる証拠の収集ができなかった」として、起訴の罪名が強盗殺人ではなく、強盗致死に切り替えられました。

強盗殺人と強盗致死の量刑は原則、「死刑もしくは無期懲役」と定められていますが、強盗致死の場合は裁判で懲役30年以下の有期刑に減軽される可能性があります。

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