戦後79年 戦争の悲惨さ語り継ぐ朗読劇 富山高校演劇部卒業生
戦争を直接経験した世代が少なくなる中、戦争の悲惨さを語り継ぐ取り組みが県内で続けられています。朗読劇を通して平和の尊さを訴えた出演者らの思いを取材しました。
「泣いて泣いて涙の乾いた頃、思い出されるのは、『戦争は止めてほしい』と言ったあの子の言葉でした」
「この涙 人には見せじ 星祭る」
この朗読劇は、富山高校演劇部が1991年に始めたもので、その後、卒業生らでつくる会が引き継いでいます。毎年終戦日の近くに開催し、多くの命を奪った富山大空襲などを取り上げ戦争の惨状を伝えてきました。
今回、伝えるのは1945年に広島と長崎に投下された原爆による犠牲の大きさです。
「原子爆弾の負傷者たちは、ローソク一本ない暗い地下室をうずめて、いっぱいだった。その中から不思議な声が聞こえて来た。『赤ん坊が生まれる』と言うのだ」
「原爆の死神よ
いくらなんでも
一人ぐらい見逃したらどうだ」
「狂い死なせたあの戦争が
どのようにして海を焼き島を焼き
ひろしまの町を焼き
おまえの澄んだ瞳から
すがる手から父さんを奪ったか
母さんを奪ったか
ほんとうのそのことをいってやるいってやるぞ!」
朗読劇には、2人の中学生も参加しました。多くを奪う戦争の悲惨さ、そして平和の尊さを言葉に込めて読み上げました。
「ぼくがおとうちゃんのからだにさわってみると、つめたくなって、もうしんでいました」
「おとうちゃん、おかあちゃん、さようなら」
会場に訪れた人たちは。
「自分の体験も思い出して、どれだけ涙出たかわからないけれどね。継承していただけることは本当に良いことなので」
「だんだん戦争の怖さを忘れてきているような感じがして、それが怖いですね」
朗読劇に参加した中学生 寺崎葉奈さん
「(学校で)細かいところまでは学べないから、知る機会ができて良かったなと思います」
朗読劇に参加した中学生 中林琴音さん
「自分たちが語り継いでいかないと、っていう気持ちで頑張りました」
とやま朗読劇の会 浅田陽子代表
「私たちは、あの時の戦争でどんなことがあったかというのを、忘れないようにしなくてはいけないなと、その助けになればいいなというふうには思っています」