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南砺平高校の生徒全国募集 期待と課題

2024年6月7日 21:31
南砺平高校の生徒全国募集 期待と課題

少子化の影響は学校のルールも変えようとしています。定員割れが続く南砺市の高校が、富山県立の高校として初めて、来年度の入学生から全国募集を始めることになりました。

地域の拠り所である学校をどのように存続させていくのか。梅本記者のリポートです。

県立南砺平高校です。山あいにある五箇山地域で唯一の高校で、地元の人たちにとって地域の拠点でもあります。

質問「この地域にしてみたらどんな存在?」地元の人「やっぱり、元気をもらえるんじゃないかな」「大事な存在。高校が無くなったら、年寄りばっかりだもんね、ほんと困る、うん、なんとかして(平高校が)残っていてほしい」

全校生徒は60人あまりのこの高校で、近年大きな課題となっているのが 「入学者の定員割れ」です。

普通科30人の定員に対し、昨年度は合格者数が23人、今年度は16人に留まりました。

高校を存続させたいという南砺市からの要望を受け、県教委は来年度から生徒の全国募集を始めることにしました。県立高校では初めての試みです。

6月、高校の教諭などがオンラインの合同学校説明会に参加し、全国の中学生や保護者に向けて高校や地域の魅力をPRしました。

全国募集は、昨年度すでに38の道府県で導入されましたが、およそ8割の学校では定員割れを起こしています。

対象が全国に拡大する分、どう差別化できるかが鍵を握ります。

北野幹昌校長「世界遺産の中で取り組む事業。特色あるこの地ならではの部活動も魅力あるところかなと」

南砺平高校は、部活動が盛んなことでも知られています。なかでも五箇山地域の民謡を伝承する郷土芸能部は、全国大会で何度も最優秀賞を獲得しています。

長谷英里子部長「みんなが1つになって最高の舞台をした時は面白いなって、楽しいなって思います」

部員は35人。この春入学した1年生は、ほぼ全員が入部しました。

まだ慣れない新入部員に対しては、上級生とともに地元の保存会がサポートしています。

全国募集の開始について学校や在校生は、五箇山の魅力を広く伝えるきっかけとなるとともに、地元の魅力を再認識する機会が増えるのではと期待を込めて話します。

長谷英里子部長「楽しみというのと、さらに地元とか富山県にいる子たちがこの部活が好きになってくれるんじゃないかなって思っています」

北野幹昌校長「もしかしたら、本校の魅力が伝わっていない部分があるのかなと思ったりしますので、これから、また魅力発信をしていきたいなと考えています」

一方、課題も残ります。

郷土芸能部に所属している3年生の谷田穂乃香さんです。学校の寮で生活しています。

高校では、遠方から入学する生徒に対し寮を設けていて、現在、全校生徒の半分近くが利用しています。

副寮長の谷田穂乃香さん「毎日お泊まりしているような気分でとても楽しいです」

寮長の浮津侠磨さん「学年寮生全体でイベントを行ったりすることがあって、そういった面は結構楽しいかなって感じてます」

ただし、寮が利用できるのは教職員が宿直する月曜から木曜まで。金曜から日曜までは、県外の実家に帰れない生徒を受け入れるための下宿先が別に必要になります。

平地域づくり協議会 南田実会長「全国から何人でも生徒が来てくれればいいなということで(全国募集開始を)待ちに待っておるところです」

現在、3軒が協力する意向を示していますが、不安もあります。

住民「よその子やったらね、気もつかうし、その子の性格にもよるんやけど」

南田実会長「みなさん、平高校の存続に関しては非常に関心は持っておられるがですけども、いざそのホストファミリーとなるというか、下宿先をするとなると、いやあちょっとできるかなあと、寝るだけはいいのだけれど、食べることまで準備するということが」

地域と連携を取りながら、どのように地域の学校を残していくのか、試行錯誤が続きます。

南田実会長「期待を大きく持って、来年を待ちたいね、めでたく希望者があるちゅうことを」

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