キャンプ場の工期ひっ迫が一因か 官製談合事件 立山町
立山町発注のキャンプ場設計業務を巡る官製談合事件の続報です。逮捕・送検された町の職員の担当する工事日程がひっ迫していたことがわかりました。関係者は、職員が付き合いのある設計業者と共謀し業務を円滑に進めようとした可能性があると指摘します。
官製談合防止法違反などの疑いで逮捕・送検されたのは立山町の教育課係長、宮越貴浩容疑者(50)と富山市の押田建築設計事務所常務取締役、森一夫容疑者(75)です。
2人は、立山町が2023年4月に行った複合施設「グリーンパーク吉峰」の新オートキャンプ場設計業務などに関する指名競争入札をめぐり、入札の条件などを記した仕様書の中に競合する他の業者が間に合わない難しい納期を盛り込んだ疑いがもたれています。
関係者によりますと、仕様書には通常2、3か月はかかるという「トイレや洗い場などの設計図」の納期が、入札開始から2週間程度と極めて短くなっていたと証言し「落札しても納期を守ることは困難」と話しました。
また、工事日程がひっ迫していたとして「完成予定から逆算した結果、工事の序盤である設計の一部の納期が極端に早まった可能性がある」と指摘しました。
キャンプ場の整備は大手アウトドアメーカーが監修する町の目玉事業で、町の担当者は工事日程について「タイトだった」と認めましたが、納期の条件が記された仕様書は最終的には町長も決裁したが問題にはならなかったと答えました。
森容疑者が務める設計事務所は事業を落札する前から業務に着手したとみられていて、警察は、以前から仕事上の付き合いがあった2人の関係などについて詳しく調べています。