【天気のミカタ】「地球沸騰化」…新語・流行語大賞にノミネートの気象関連の言葉に注目!
きょう12月1日は毎年恒例の、その年に話題になった言葉「新語・流行語大賞」が発表されます。今年は、どんな言葉が選ばれるでしょうか。
今年の新語・流行語の大賞決定に先立ち、先月、30個のノミネート語が発表されています。「アレ」や「蛙化現象」、「5類」「藤井八冠」など今年を象徴する様々な言葉が並んでいる中、気象関連で注目の言葉が「地球沸騰化」です。
今年7月、WMO=世界気象機関は地球温暖化の影響などにより海面水温が高い状況が続く影響で、今年の7月が世界の月間平均気温が過去最高を 更新する見通しを発表しました。
この発表を受けて、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が「地球全体にとっての大惨事であり、人類の責任であることは明白。地球温暖化の時代が終わり、地球沸騰化の時代が訪れた。」と述べて強い危機感を示しました。地球温暖化がさらに進む深刻な事態を受けて生まれたのが、 「地球沸騰化」という言葉です。
急激な気候変動に対して、世界各国が足並みをそろえて踏み込んだ対策を進めることが、人類にとっての大きな課題となっています。
今年は「地球沸騰化」がノミネートされている状況ですが、過去にも新語・流行語大賞では数々の気象に関する言葉が挙がってきました。初めて選ばれたのが1990年の「気象観測史上はじめての」という言葉。そして、2000年代に入るとさらに気象に関する用語が頻繁にノミネートされるようになり、「猛暑日」「ゲリラ豪雨」「爆弾低気圧」「PM2.5」「線状降水帯」「災害級の暑さ」、そして2019年には「命を守る行動を」という言葉がノミネートされています。
選ばれた言葉はいずれも私たちに不安を抱かせる大きな災害に関係する出来事なのが気になるところで、ノミネートのたびに人類に警鐘を鳴らすような、より強い言葉にもなってきています。また、そもそも、猛暑日や線状降水帯など大きな災害をもたらす現象は、地球温暖化も一因とされ、その地球温暖化がさらに強い言葉となった「地球沸騰化」が今回、ノミネートされているのは、今までの気象関連の新語流行語の総まとめ、という段階である、とも言えます。
それだけ私たちは、「地球沸騰化」という現実を重く受け止めていくことが大事なことではないか、と思います。これからの未来で「地球沸騰化」を超える言葉が生まれてくることのないように、私たちひとりひとりが何が出来るのか、しっかり考えていきたいものです。
(KRY山口放送 気象予報士 山本昇治)