×

流された“思い出のDVD”家族の元へ… 奥能登豪雨 遺族の半年

2025年3月27日 19:10
流された“思い出のDVD”家族の元へ… 奥能登豪雨 遺族の半年
16人の犠牲者を出した奥能登豪雨から半年。なぜ被害は拡大したのか… 復旧の現状と大切な家族を失った遺族の思いを取材しました。

今月、輪島中学校で行われた卒業式。この日、同級生とともに卒業の日を迎えるはずでした。

「喜三 翼音」

喜三 翼音さん。

去年9月の奥能登豪雨で命を落とした16人のうちの1人です。

あの日、押し寄せた濁流に翼音さんは自宅ごと流されました。

あれから半年。

輪島市久手川町を訪れると… 周辺にはいまも土砂や流木が残ったまま。

そして翼音さんの自宅は基礎部分だけに… 町は変わり果てました。

北陸地方整備局 河川部・片野 智博さん:
「今は堆積している土砂をとったので元の川の流れになっている元の川の形に戻っている」

氾濫した塚田川では復旧工事が続いています。

北陸地方整備局 河川部・片野 智博さん:
「あの地震でやっぱりあの山の土砂が揺らされて緩んでいた。地震が起こる前よりは土砂が流れやすい状況となっていたということが考えられます」

これは豪雨当日の輪島市内の降水量です。

前日の夜から降っていた雨は午前9時以降、急激に増加し、ひと月分の雨の量をわずか3時間で上回りました。

地震により緩んでいた山に猛烈な雨が降り注いだことで大量の土砂や流木が流され、町に押し寄せました。

それにより、川の流れにある変化があったといいます。

北陸地方整備局 河川部・片野 智博さん:
「本来の川の流れは右手の川の流れでしたけど、こちらの住宅街の方に、川の流れが変わってしまった」

押し寄せた土砂や流木は、河口から約2キロ上流にかかる2つの橋に堆積。

すると、水の流れは行き場を失いそのまま川沿いの住宅地へ… これにより複数の住宅が家ごと流される事態になったのです。

北陸地方整備局 河川部・片野 智博さん:
「住宅の基礎だと思うんですけど、流されて基礎だけ残っているという状況ですね。ちょうど川の通り道になってしまった。(Q. 流木でこれほどの被害が出るものなのか) 初めての経験です」

テレビ金沢のニュース