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「人命軽視も甚だしい…」日置市親族ら5人殺害の男(45)の控訴を棄却 1審の死刑判決を支持  

2025年3月13日 19:18
「人命軽視も甚だしい…」日置市親族ら5人殺害の男(45)の控訴を棄却 1審の死刑判決を支持  
 2018年日置市で親族ら男女5人を殺害したとして一審で死刑判決を受けた男の控訴審です。13日の判決で福岡高裁宮崎支部は死刑判決を支持し、控訴を棄却しました。

 判決を受けたのは、事件当時日置市東市来町湯田に住んでいた、無職の岩倉知広被告(45)です。

 岩倉被告は2018年、日置市の住宅で父親と祖母の首を絞めて殺害し遺体を遺棄したほか、安否の確認に訪れた親族など3人も殺害した罪に問われていました。

 1審では岩倉被告の責任能力が争点となり、2020年、鹿児島地裁は被告人の妄想性障害の程度については「軽微」であるとして、責任能力を認め死刑判決を言い渡しました。

 岩倉被告は判決を不服として控訴。控訴審でも責任能力の有無が争点となり、控訴後に精神鑑定した医師の証人尋問などが行われていました。

 検察側は「いずれの犯行も完全に責任能力が認められる」などとして、控訴の棄却を求めました。

 一方、弁護側は「5人の殺害は精神障害の影響で心神耗弱の状態であり完全な責任能力はなかった」として死刑を言い渡した1審判決の破棄を求めました。

 13日開かれた判決公判。岩倉被告は上下緑色のジャージー姿で法廷に現れ、裁判長をじっと見ながら静かに判決の理由を聞いていました。

 福岡高裁宮崎支部の平島正道裁判長は「5人を殺害した犯行は、強い殺意に基づく人命軽視も甚だしい悪質な行為。精神障害が各犯行の背景にあったとしてもその影響は軽微なものにとどまる。死刑を宣告した判決はやむを得ない」などと一審の判決を支持し、控訴を棄却しました。

 弁護側は「全体的に主張が認められなかったことは残念」として、13日最高裁判所上告したということです。
最終更新日:2025年3月13日 19:36
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