台風10号は29日朝、薩摩川内市に上陸し、その後、九州を北上しています。錦江町や肝付町では8月のひと月分の2倍近い約600ミリの雨が降りました。県内に出されていた特別警報は解除されましたが、引き続き、暴風や土砂災害などに厳重な警戒が必要です。

　28日から29日にかけて県本土に最も接近し、薩摩川内市に上陸した台風10号。経験したことのないような雨と風が県内を襲いました。

（記者）
「午前6時半です。時折立っていられないほど強い風が吹いている。木々が大きく揺れているのがわかる」

　枕崎市では51.5メートル、鹿児島市では38.8メートルの最大瞬間風速を観測。

（カメラマン）
「すごい…すごい雨風です。道路を雨が叩きつけている」

　降り始めから午後4時までの雨の量は錦江町田代で586ミリ、肝付町前田で575.5ミリと、8月のひと月分の2倍近い雨が降りました。

　台風10号は現在、長崎県雲仙市付近をゆっくりとした速さで北に進んでいます。中心気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速30m、最大瞬間風速は45mです。現在も薩摩地方の一部が暴風域に入っていますが、30日未明には抜ける見込みです。

　県内に発表されていた暴風と波浪の特別警報は29日午前10時半ごろに解除されました。

　台風は次第に遠ざかっているものの県内には雨雲がかかりやすく、30日夕方までの24時間雨量は多い所で、薩摩地方で150ミリ、大隅地方で100ミリと予想されます。引き続き、暴風や土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒が必要です。

　県内多くの市町村は引き続き、避難指示を出していて、危険な場所からの避難を呼びかけています。