8月31日は“野菜の日”。

野菜をこよなく愛し、野菜の魅力を音楽で伝えているちょっと変わったバンドがいます。

リーダーを務める長野市の男性に密着しました。その正体とは？

3人組バンド「八百万BAND」。

伝統野菜の魅力や生産者の思いを音楽に乗せて、ライブ活動を行っています。リーダーを務めるのは、小山修也さん42歳。

普段の姿は…！？

小山さん
「今は農家さんの野菜をお客さんごとに振り分け作業をしているところですね」

長野市松代町の“八百屋さん”。創業100年を超える「野菜のカネマツ」の5代目として、弟とともに店を仕切っています。

地元の伝統野菜や無農薬野菜にこだわり、生産者の思いを消費者に届けることがモットーです。

小山さん
「ほんとに栄養価で見ていくとずば抜けて高い野菜たちなので、食べれば元気になると思います」

信州の野菜を全国に広めたいと、今はネット販売が中心ですが、地元の保育園や飲食店などにも野菜を卸し、お客さんとのやり取りも大切にしています。

小山さん
「ナスひとつにしてもいろんなエピソードがあったり、農家さんも何人もいてくれて、うちみたいな八百屋が中継で農家さんの思いを踏まえながら伝えながら繋いでいくっていうことができていけば、本当に素晴らしいなっていう思いでいます」

小山さんが家業を継いだのは13年前。それまでは高校の先生でした。

小山さん
「今までは母からも自分のやりたいことを形にできるようにって応援してもらってきていたんですけど、いよいよ家業がどうするってなったときに初めてはっと思って、自分がここまで来れたのは家業のおかげで好きなことをやらせてもらったし、学校も出させてもらったし、教員っていう仕事もやらせてもらっている、けど、なくなっちゃったらどうなるのかなって思ったときにすごく寂しかったし、なくなってほしくないっていう気持ちがわって出てきたのもあったし」

「松代一本ねぎ」や「松代青大きうり」など地元・松代の伝統野菜を守ろうと精力的に活動してきました。

小山さん
「その地域の濃さを持った野菜とか、本当に味が美味しいので、それを素直にお客さんが美味しいって言ってくれる、それが一番嬉しいですかね」

そんな小山さんが、野菜の魅力をもっと伝えようと去年から始めたのが…。

3人組バンドの「八百万BAND」です。

ジャマイカ発祥の音楽、レゲエ。大学時代、アルバイト先の先輩に借りた1枚のCDをきっかけに興味を持ちました。

レゲエと野菜…。

小山さん
「レゲエって音楽自体もメッセージががすごくこもっているので、それに自分もかなり衝撃を受けたし、それに人生を変えてもらったっていう部分もあって相手にメッセージを届けられるレゲエという音楽にのせて野菜のことを伝えられたら、そういう八百屋さんって全国にいないなって思ったしいろんな野菜を歌にしたいなと思って今やっています」

これまで作ったオリジナルの野菜ソングは、6曲。

〝耳からも味わってほしい″と野菜の魅力を歌に込めます。

そんな小山さんの熱い思いに賛同して集まったのは…。

長年アーティスト活動をしているパーカッション担当のカトウシモンさん。そして、音響のプロフェッショナル金澤 BULL 壮一さん。

シモンさん
「歌っている人間の生きざまと歌っている歌詞とが合致しているので、やっていて後ろめたさがないというかストレートなのでそこがすごく自分的にはやりがいがあるというか応援したくなるっていう感じ」

ブルさん
「ぶっ飛んだことを言ってきて、もっとこうしたいああしたいが、自分の想像を超えているので、それが面白いですね」

8月8日。語呂合わせで「八百屋の日」に合わせて、毎年小山さんの店が開いているお祭りです。

子どもから大人まで地域の人たちでにぎわいます。

そして…。
いよいよこの日のメインイベント。「八百万BAND」のライブの時間です。

「松代青大きうり」
ずんぐりとした太めの形が特徴の松代青大きうり。40年にわたって種を守り続けてきた生産者への感謝の思いも歌詞に込めます。

小山さん
「今日は夏なので今はネギがないんだけど、歌っておきたいと思います」

「松代一本ネギ」

お客さん
「元気が出ました。楽しい気持ちになってよかったです」

松代在住の男性
「地元の人が地元を歌えるっていうことがやっぱり地元の愛だね、それがいいね！」

小山さん
「歌っている野菜のことを知られていないことがほとんどだと思うので、いろんなところに県内だけではなくて、県外とかいろんなところに歌える場所やチャンスはあると思うので、そこでどんどん地元の野菜のことを発信して、伝えていきたいなって思います」

歌をきっかけに野菜の“力”を知ってほしい。

松代と野菜をこよなく愛する小山さんの挑戦は、これからも続きます。

「八百万BAND！やお～！」