~新年度から変わることをまとめました~「2024年問題」働き方改革で影響受ける業界とは
<リポート・伊藤悠貴記者>「ゆうパックや速達郵便ですが、きょうから配達にかかる日数が 見直され、一部地域で最大半日ほど遅れるということ」
日本郵便ではきょうの受付分から「ゆうパック」や「速達」の配達日数が最大半日程度伸びる。
例えば、広島に向けた荷物では、県内から午前中に出すと、これまでは「次の日の午後」だったが、今後は「翌々日の午前」となる。
背景にあるのはきょうからはじまるトラックドライバーなどへの時間外労働の規制強化。働き方改革の推進に伴ういわゆる「2024年問題」だ。
<日本郵便・光井大祐さん>「一人のドライバーが運行できる 距離が短くなるので輸送能力が 低下する。法令への対応と共に お客様に安定したサービスを提供していくため今回見直しを 行っています」
今回配達日数が見直されるのは、ゆうパックのおよそ3.4%、速達郵便は0.2%だが、今後さらに見直しが進む可能性があるということ。
一方、「2024年問題」を巡っては配達日数だけではなく、利用料金にも影響が出ている。
佐川急便では平均7%、ヤマト運輸は平均2%値上げし、少ない人数で効率的に配達するための設備投資などに充てるということ。
<街の人は>「サービスがかなり良すぎるぐらいだと思っているので、健康に配達している人にも働いてほしいので無理のない範囲で届けてもらえれば」
<街の人は>「自分の中では生活の中心。ネットショッピングは生活に欠かせないのでそれが遅いとちょっと困ります」
一方、今回の規制強化はバス業界にも・・・
宮城交通では運転手の勤務時間を短くするために、きょうから高速バスの一部で運転区間を短くする。対象となるのは仙台と山形を結ぶ高速バスで、朝と夜の一部の便では終着地点の「県庁市役所前」に停まらず、「仙台駅前」までとなる。
<宮城交通 脇田淳営業部長>
「今度の新しい法改正では(運転手)1日あたりの拘束時間を15時間に収めなさいということになる。従来だと16時間まで勤務が可能でしたが、1時間短くなる。朝晩の県庁市役所前をカットすることで制限の範囲内に収める対応をとっていきたい」
いまダイヤを維持するにはグループ全体で30人程度の運転手が不足する現状。宮城交通は採用活動にチカラを入れているものの、今後、減便や路線短縮の恐れもあるということ。
<宮城交通 脇田淳営業部長>
「ご不便をおかけするが、路線バスを維持していくためにはやむを得ない苦渋の決断と 思っておりますので、引き続きバスをご利用いただき路線バスを支えていただければ」
まずは、働き方改革。時間外労働の規制強化について。
特に残業の多い業界が対象で物流のほか、建設業や医師はこれまでこうした上限がなかったが、例えば年960時間、月に直すと80時間の上限を国が定めた。
これにより働き手が守られる一方、人手不足による影響が懸念される。
また、1日から変わるのが「モノの値段」。冷凍食品や調味料など2806品目が値上がりした。
年度変わりによる価格改定のタイミングに原材料の高騰などが重なるためで、この規模の値上げは去年10月以来6か月ぶり。
【新年度から変わること】~新型コロナ・県の再エネ課税~
新型コロナに関わる制度も変わる。ワクチン接種の公費負担など5類移行後も残っていた、いわゆる激変緩和措置が3月末で終了した。
また、宮城県内で始まるのが風力や太陽光などの発電施設を新たに建設する際に独自課税するいわゆる「再エネ課税」の条例が 全国で初めての導入となる。大規模な森林開発を抑制するのが目的だ。