どうする?水揚げが例年の3割程度「九十九島かき」夏の海水温上昇など影響しイベントも中止に《長崎》
佐世保市の冬の味覚「九十九島かき」。海水温の上昇などが影響し、来年2月に予定していたイベントが中止となりました。
市は生産量の安定化などを目指し、種苗を生産する企業と協定を結びました。
小粒で、濃厚な味わいが特徴の九十九島かき。
今年の秋のイベントは、最初の連休を除いて開催できましたが…。
(宮島 佐世保市長)
「今年の “かき食うカキ祭り冬の陣” の開催ができないなど、様々な被害が出てきて憂慮をしている」
仕入れの見通しがつかず来年2月のイベントは、中止となりました。
主な原因は “海水温の上昇”。
佐世保市の水産センターによりますと、今年7月の海水温は「26.3℃」と、これまでの11年の平均より、1.4℃高くカキが大量に死滅。
年間の水揚げは、例年の3割程度となる見込みだといいます。
今回「安定的な生産量の確保」と、「新たなブランド化」を目指し、二枚貝の養殖について研究を進める市内の企業と協定を締結。
夏場に産卵しない「3倍体」と呼ばれる種苗を使うことで、夏から秋にかけて身入りのいいカキの供給が期待できるということです。
(二枚貝養殖研究所 鬼木 浩 代表取締役)
「夏に産卵のストレスがないので、身が多く入る。夏場の水温が高い時でも十分に身が持つ。それぞれの良いところを合わせて、漁業に利用していくのが一番いい」
水産センターでは「育てた種苗」を、今年度から試験的に市内の養殖業者に配布していて、早ければ 来年秋ごろの出荷を目指すとしています。