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「被爆者本人が訴えることに意味がある」と期待 核禁締約国会議 3日からニューヨークで開催《長崎》

2025年3月3日 20:10
「被爆者本人が訴えることに意味がある」と期待 核禁締約国会議 3日からニューヨークで開催《長崎》

3日からアメリカニューヨークで開かれる『核兵器禁止条約第3回締約国会議』の開幕を前に、被爆者の女性が現地で思いを語りました。

日本政府がオブザーバー参加を見送る中、会議の意義について専門家に話を聞きました。

ニューヨークの国連本部で日本時間の3日の夜遅くから始まる、核兵器禁止条約の締約国会議に参加するサーロー節子さん。

13歳の時に広島で被爆し、姉や甥を亡くしました。

会議を前に開かれたイベントに参加し、核兵器を自分事として捉え、議論し合うことの重要性を語りました。

(サーロー節子さん)
「個人的な思いを皆さん一人ひとりが体験しなければ、核の問題はただ数字だけでは片付けられない。自分の人生との対決」

核兵器の開発や保有、使用などを全面的に禁止する「核兵器禁止条約」は、2021年に発効。

第3回締約国会議は7日まで開かれ、核兵器廃絶に向けた検証のあり方や、核被害者への支援などが話し合われます。

長崎大学多文化社会学部の教授で、核兵器廃絶研究センターの教員を兼任する西田 充さんは…

(長崎大学多文化社会学部 西田 充 教授)
「核兵器の危険性、核兵器が使用されるケースが非常に高いと警鐘を鳴らして、核兵器は廃絶されるべきだと国際的なメッセージを国際社会に出す」

去年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協のメンバーが、セッションで核なき世界の実現に向けて発言を予定していることについて「被爆者本人が訴えることに意味がある」と期待します。

(長崎大学多文化社会学部 西田 充 教授)
「核兵器を使うことが、どれだけの結末をもたらすものかを “核のどう喝” をやっているような国のリーダーに対してわからせるという意味で、被爆者の方が訴えるのは非常に重要」

また、どれだけ具体性のある進展が生まれるのか、中長期的に注視していきたいと話しました。

(長崎大学多文化社会学部 西田 充 教授)
「核兵器を保有している国が参加していない中で、実際に核軍縮を進めるのは難しいと思うが、せめて核兵器禁止条約の中でできること、例えば検証の体制の強化などが、具体的にどれだけ進むのか期待している」


核兵器禁止条約は、これまでに94の国と地域が署名。

73の国と地域が批准しています。

最終更新日:2025年3月4日 1:44
    長崎国際テレビのニュース