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選挙のOneポイント!最高裁の裁判官を審査「国民審査」とは? 審査対象となるほとんどの裁判官は一度しか審査されない!?

2024年10月24日 18:29
選挙のOneポイント!最高裁の裁判官を審査「国民審査」とは? 審査対象となるほとんどの裁判官は一度しか審査されない!?

衆議院選挙の制度や注意点を改めて確認する「選挙のOneポイント」。今回のテーマは「国民審査」についてです。

■ 最高裁の裁判官にふさわしい?国民が判断

衆議院選挙では、投票所で3枚の投票用紙を受け取ります。「小選挙区」「比例代表」そして「国民審査」。「国民審査」は、最高裁判所の裁判官がふさわしい人かどうかを国民が審査する制度です。

今回から新たに「在外投票」(海外に住んでいる有権者の投票)や、「洋上投票」(指定の船舶などに乗船して国外区域を航海する船員の投票)がFAXを使って投票することが可能になりました。

■ 投票方法「×」以外は無効に

投票の方法ですが、辞めさせたい人の欄に「×」を記入します。なにも書いていないと「信任」ということになります。

「信任だから〇」とか「微妙だから△」など、「×」以外を書いてしまうと、投票そのものが無効になるので注意が必要です。この「×」が有効投票の過半数に達するとその裁判官は罷免されます。

戦後に制度ができてから、過去25回「国民審査」が行われましたが、これまでに罷免された裁判官は1人もいません。

■ 判断材料は?

これまでの経歴や、担当した主な裁判が書かれている「審査公報」があり、各世帯に配布されているほか、都道府県の選挙管理委員会HPにも掲載されています。ただ、就任したばかりの人もいて、公報にも「関与した主要な裁判はない」とされています。

これまでどういう判断を下してきた人か分からないのに審査しなければならない。これには「国民審査」の制度も関係しています。

今回は、裁判官15人中6人が国民審査の対象。裁判官は『任命後最初』の衆議院選挙の時に審査を受けて、信任されると『10年間』審査対象から外れます。このため、任命直後だと情報がなく、1回信任されて10年後といっても、最高裁の裁判官は60歳過ぎてからの着任が大半のため、10年後は既に定年の70歳を迎えています。

こうした状況が審査を難しくさせていると言えるかもしれません。これまでの経歴や考え方など、積極的に情報を集めて判断する必要があります。

    日本海テレビのニュース