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重大事故を防ぐ有効な手段である「ワイヤーロープ」はトンネル内に設置が困難!? 代替策と試験的に導入している「センターパイプ」とは?

2024年9月27日 18:37
重大事故を防ぐ有効な手段である「ワイヤーロープ」はトンネル内に設置が困難!? 代替策と試験的に導入している「センターパイプ」とは?

鳥取県内で相次ぐトンネル内の死亡事故。事故は防げなかったのかー。関係者に話を聞く中で事故原因の一つとして浮かび上がってきたのが、中央分離帯の設備です。現状を取材しました。

今年8月、鳥取インターと兵庫県佐用平福インターを結ぶ鳥取道の用瀬第一トンネルで発生した痛ましい事故。走行中、反対車線にはみ出した普通乗用車が前方を走っていた大型トラックと正面衝突。これにより普通乗用車とトラックに乗っていた3人が死亡しました。

鳥取県内の高速道路・自動車専用道路では、過去5年間で6件の死亡事故が発生。そのうち、反対車線へのはみ出しによる事故は4件でした。

第3、第2、第1、智頭用瀬と4つのトンネルが連続する用瀬町の自動車専用道路。今回事故が発生した道路を実際に走ってみるとー。

中本帆乃花 記者
「トンネルの先も長くて同じ景色が続いているので、集中していないと対向車とぶつかってしまいそうなそんな印象です」

高速道路での事故原因の1位は前方不注意。全体の約40パーセントを占めています。さらにー。

中本帆乃花 記者
「智頭用瀬トンネルは制限速度が70キロなんですけど、70キロを超えて走っている車がかなり見られます」

気づかないうちにスピードが出てしまうことも高速道路での走行でよく見られる特徴だといいます。道路の利用者からはー。

利用者
「よそ見しとったら横行く」

「トンネルが多いと単調な感じはする。景色が変わってないと運転としては慣れちゃう」

そして、危険を感じる原因の一つに挙げられたのが中央分離帯。トンネル内でよく見かける「センターポール」。はみ出し防止や事故のとき車両をUターンさせる目的で設置されています。しかし、これについて心配の声もー。

男性
「やっぱり中央分離帯のね、ワイヤーロープがないので危ないなとは思ってましたね」

「逆にガッと来られたら守るものはないから怖いなと感じますし、(安全対策のものが)ついてくれたらいいかなあ」

国交省によりますと、去年3月までの4年間に全国のワイヤーロープ設置区間で起きた3700件の事故のうち、対向車線へのはみ出しはわずか10件。重大事故を防ぐ有効な手段であることがわかります。命を守るのに有効なワイヤーロープですが、なぜトンネル内では設置がないでしょうか。

国土交通省中国地方整備局鳥取河川国道事務所 山田晋吾 副所長
「ワイヤーロープを入れればいいんですけど、ワイヤーロープを入れようとすると支柱を撃ち込まなくてはいけないんです」

ワイヤーを張るために必要な支柱の長さは約2.6m。しかし、通常トンネル内には中央分離帯の下に雨水を流す排水溝が通っていて、この長さの支柱を立て込むと排水溝が破損してしまいます。このため、ワイヤーロープの設置は難しいということです。

そこで今、代替策として国土交通省とネクスコが試験的に導入しているのが「センターパイプ」。幅を広げて排水溝にかからない位置に支えとなる短い柱を入れ、ボルトで固定して鉄製の棒を連結させます。山陰地方では出雲ー斐川間で試験的に運用。

国土交通省中国地方整備局鳥取河川国道事務所 山田晋吾 副所長
「ワイヤーロープに代わるものとして今全国的に検証等をしていますので、そのあたりの動向を我々としては見ていきたい」

国交省によると、今後の方針は今年度末に検討されるということです。また、警察は絶対にわき見運転をしないことや速度超過・車間距離の確保に注意するよう呼び掛けています。

そこで今、代替策として国土交通省とネクスコが試験的に導入しているのが「センターパイプ」。幅を広げて排水溝にかからない位置に支えとなる短い柱を入れ、ボルトで固定して鉄製の棒を連結させます。山陰地方では、出雲ー斐川間で試験的に運用。

国土交通省中国地方整備局鳥取河川国道事務所 山田晋吾 副所長
「ワイヤーロープに代わるものとして今全国的に検証等をしていますので、そのあたりの動向を我々としては見ていきたい」

国交省によると、今後の方針は今年度末に検討されるということです。また、警察は絶対にわき見運転をしないことや速度超過・車間距離の確保に注意するよう呼びかけています。

最終更新日:2024年9月27日 18:58
    日本海テレビのニュース