道路崩落から1か月 出雲市大社町の日御碕でなつまつり 生活再建へ一歩前進し住民からは安堵の声 島根県出雲市
島根県出雲市大社町の日御碕では、大雨で道路が崩落してから1か月がたちました。仮設道路が整備されようやく住民の車両が通れるようになり、8月10日には、住民の企画した夏祭りが開かれました。
7月9日、島根県東部を襲った大雨で、出雲市大社町の県道29号が崩落、日御碕地区の住民は一時孤立状態に―。急ピッチで、仮設道路の整備が進められ7月29日には緊急車両の通行ができるようになりました。そして、道路の崩落から1か月が過ぎた8月11日。
ようやく、この仮設道路を日御碕地区の住民が通れるようになりました。これまで、通行止めとなった場所の近くで車を降り歩いて通行していたため、食材や家電など重たい荷物を運ぶことが難しくなっていましたが、そうした生活から解放されました。
住民
「ありがたいことです。買い物に出るのもなかなかでしたからね」
「うれしいです。洗濯機や冷蔵庫が壊れても持ってきてもらえませんので」
こうした中ー。
「開通を祝ってかんぱーい」
仮設道路の開通を祝って乾杯する住民たち。
住民
「通行できるようになるのでもうほんと一安心」
生活再建へまた一歩前進し、住民からは安堵の声が聞かれました。
この日、開かれていたのは、「なつまつり」。不便な環境でも住民に楽しい時間を過ごしてもらおうと、日御碕地区の若い世代が企画しました。集まったのは、日御碕地区に住む子どもから大人まで約100人。縁日のコーナーでは子どもたちが夢中になりボールすくいを楽しむ姿。また、会場はに手作りのフライドポテトや総菜なども用意され、集まった地域の人たちが食事をしながら会話に花を咲かせていました。
参加者
「楽しい。食べてしゃべって」
「この1か月、全然出られないし、ちょっと羽伸ばしって感じで」
この祭りで用意された景品の数々。一部は日御碕の土産物だといいます。
ミサキどっとCom安田大輔 代表 なつまつり 主催者
「今までの生活を思うと、みんな今回すごく楽になるのでお祭りも開通記念みたいな感じになって良かったなと。今一番お客さんが来る時期に誰も来ない人がいない状況でかなりのダメージを受けておられると思うので、売り上げってほどではないけど貢献できれば」
住民の生活再建が進む一方、日御碕の海水浴場や観光地では夏の書き入れ時にもかかわらず多くの店が休業を余儀なくされています。これまでのように観光客が日御碕を訪れるようにならなければ、本当の意味での日常は戻ってきません。
飲食店を営む人
「しばらくは家にこもっております。当初は掃除したりして明るくやってましたけど、あんまり時期が長くなりすぎたもので。そういう気力も失せ、あとどうすればいいんだろう、支払い関係とかどうすればいいんだろうかってそういう心配の方が 」
「みなさんすごく耐え忍んで、そして団結してこの場を忍んで頑張っておられて、また頑張ろう私も力をもらって頑張ろうと思ってます」
「食べてよ。食べて力をつけてまだまだ頑張らんといけんけん」
道路崩落から1か月。住民たちは一日も早く、観光客でにぎわう日御碕地区が戻るよう願いながらこの地での支えあっていました。島根県では今後、観光客や一般の人も仮設道路を通れるよう対応を急ぐということで、早期の復旧が期待されます。