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県道の崩落で観光客が途絶えた日御碕地区 2か月ぶりに一般車両が通行可能に 多くの観光客でにぎわう 県はクーポン券発行や観光バスなどの通行可能な道路の整備を急ぐ 島根県出雲市

2024年9月9日 18:44
県道の崩落で観光客が途絶えた日御碕地区 2か月ぶりに一般車両が通行可能に 多くの観光客でにぎわう 県はクーポン券発行や観光バスなどの通行可能な道路の整備を急ぐ 島根県出雲市

7月の大雨によって、県道が崩落した島根県出雲市大社町日御碕地区。9月7日、新たな仮設道路が完成し、一般車両の通行ができるようになり、観光地も2か月ぶりににぎわいを見せました。

9月7日、午前9時。新たにできた仮設道路に住民以外の一般車両の車が次々に入ってきました。出雲市大社町の日御碕地区は7月の大雨によって、県道29号が崩落し、通行止めに。急ピッチで仮設道路の建設が進み、これまで通れなかった、一般車両の通行(大型車を除く)がようやくできるようになりました。

9月8日、一般車両の多くが向かったのは飲食店などが並ぶ日御碕の観光エリアです。

高井和代 記者
「灯台付近の駐車場は、多くの車で混み合っています」

一般車両の通行ができるようになってはじめての土日。道路が通行できない間の約2か月間ガラガラだった駐車場。9月8日は続々と車が入り、、満車に近いほど観光客が訪れていました。日御碕観光のシンボルとなるのが、青空にそびえたつ、出雲日御碕灯台です。

高井和代 記者
「灯台の前では雄大な日本海をバックに、多くの観光客がその景色を堪能しています」

9月8日は、日差しは強いものの風が穏やかで海岸散策にはちょうどよい天気。観光客は断崖絶壁で日御碕ならではのスリル満点の景色を眺めていました。

観光客
「道が開通したって聞いて、久々に灯台の方行ってみようかって言うことで」

観光客(京都から)
「開通出来てほんとに良かったです」
「大変そうだったよね (店の人に)話を聞いてると、生活自体ができるかどうかっていう形でほんとに1か月くらいは全く物資が無かったとおっしゃってたので、そのあたりも考えたら再開出来て良かったと思いますね」

名物のイカ焼きの香ばしい香りが食欲をそそる通り。灯台に続く商店街は観光客の姿でにぎわいました。道路の復旧まで、多くの土産店や飲食店は、休業を余儀なくされましたが、店側も久々の再開に、ほっと一安心のようでした。

約70年にわたり日御碕で土産店を営む石富一男さん。夏の土産ものである風鈴を並べてお客さんを迎えます。

石富一男さん
「ようやく、店が開けられるかなって感じで良かったと思います。夏に売れなかった商品が売れてくれると助かるんですけど」

本来ならば7月8月に売る予定だった風鈴や、フグの飾りなどの土産物。9月はまだ暑い日が続き、涼しさのある小物も売れればと、秋の行楽シーズンに期待をかけています。9月8日は半年ぶりに訪れたという広島からのお客さんの姿も。お目当ては、前回来た時に見つけたウニの殻を使った小物入れだといいます。


「前も来たんですけど、心残りで買えてなかったので、この度またこちらに買いに来させていただきました。通れるというのが分かったので、今日来たくなって待ち望んていたって感じですね」

石富一男さん
「リピーターとして来てくれるお客さんとの会話が何よりうれしいひとときです」

昼時、観光客が順番待ちをしていたのが、海鮮料理が売りの食事処「花房(はなふさ)」。名物は、ウニやノドグロなどが乗った贅沢な海鮮丼。この海鮮丼を求め、県外からも来る人が多く9月7日、8日は、200人を超える人が訪れ、久々の名物グルメを堪能していました。

観光客
「おいしいです。久しぶりに食べました。来れて良かったです」

「今週来れたと同時に開通してたって言うのを聞いて、よしって思いました」

「来る途中でも確かめながら来たんですけど、来やすかったし安心しました」

日御碕の観光地は秋の3連休や、11月の出雲大社の神在祭もさらなるにぎわいが期待されますが、冬は閑散期となることも予想されます。そこで島根県は、夏に失った売り上げを冬に取り戻してもらおうと、宿泊料金の割引や飲食・土産物の購入に使えるクーポン券を発行する方針で、今年12月から来年3月の利用に向け、9月10日に開会する島根県議会で一般会計補正予算案に提案する予定です。

秋の観光シーズンににぎわいを取り戻した日御碕。しかし、観光バスなど大型車は仮設道路を通れないため、島根県では、道路整備を急ぐとしています。

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