廃止となった知事公舎 島根県が松江市に活用案を求めるも具体的な案がまとまらず 活用案が示されなければ売却も視野に 島根県
2023年度末で廃止となった島根県の知事公舎。行政は民間事業者との話し合いも視野に新たな活用の方法を探っています。
島根県 丸山達也 知事
「後の知事の入居は想定をせず、現在の知事公舎につきましては、本年度末をもって廃止することが適当であると考えております」
2023年9月、県議会の定例会で知事公舎の廃止を表明した島根県の丸山知事。知事公舎は、1986年に建てられ、歴代の知事が入居していました。一方、丸山知事が2019年に就任してからは、入居はせず、空き家に。さらに、庭園などを維持するために清掃や警備などで年間約300万円の費用がかかることも負担になっていました。島根県は、廃止の考えを受けて、2023年末までに職員に対して活用案を求めましたが、案が出てくることはありませんでした。その理由を担当者はー。
島根県総務部 石原弘之 次長
「住宅として建設したもので、しかもグレードの高い住宅としてやってますので、それを他の用途として使うためにですね、なかなかどういう風な改修なり、必要かどうか分かりませんけども、どういうような改造をするかっていうのは難しいとこですし」
そこで、島根県は、建物がある松江市に年明けから4月19日を期限に活用案について提案を求めていました。
しかしー。
松江市 上定昭仁 市長
「その立地を十分に生かして活用していくには、どうしたらいいかということについて検討を現在もしておりまして、まだ市として具体的な案が取りまとめられていないという状況でございまして」
2024年7月末まで期限を延ばして回答していくといいます。活用方法がなかなか決まらない理由の一つが知事公舎が立地する場所です。知事公舎は、城下町のたたずまいを残した通りに面していて、伝統美観保存区域に定められ、新たに建物を作るには、高さが12メートル以下、周囲の景観と調和する色にするなどの制約があります。そこで松江市は今後の活用案についてー。
松江市政策企画課 井原崇博 課長
「民間活用も含めて、行政視点だけでなく、幅広く検討させていただきたいと思っております。かつ市民も利用できて、観光客の皆さんも利用できるような使い方というのは望ましいかなと考えております」
現在、島根県は、松江市の回答を待っている状況ですが、活用案が示されない場合は、売却なども視野に入れているということです。