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犯人の手口は手当たり次第!?多い日には1日に30件の相談が 急増する『警察官をかたった詐欺』の手口と対策を現役・警察官が解説

2024年10月5日 5:45
犯人の手口は手当たり次第!?多い日には1日に30件の相談が 急増する『警察官をかたった詐欺』の手口と対策を現役・警察官が解説

現役の警察官とともに近年増加する特殊詐欺について、解説していくコーナーです。解説は鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補です。

中山沙希 アナウンサー
「波田さん、今回は改めて注意していただきたい詐欺があるんですよね」

鳥取県警生活安全企画課 波田貴幸 警部補
「それが『警察官をかたった詐欺』です」

中山アナ
「こちら以前にも解説しましたが、どうして今、改めてなのでしょうか」

波田貴幸 警部補
「実は、鳥取県を中心にこの詐欺に関する相談が8月末からきょう(9月30日)にかけて毎日あります。多い時には1日に30件近く寄せられることもあったんです」

中山アナ
「その理由はなんでしょうか」

波田貴幸 警部補
「おそらく犯人は同じ市外局番の中からランダムに電話をかけているとみられていて、例えば鳥取市でしたら市外局番「0857」に手当たり次第かけ、終わったら次に市外局番「0858」の中でかけていく、これを繰り返していて今月は特に鳥取でそういった電話が多く出回ったと考えられます」

中山アナ
「本当に手あたり次第、犯人はかけているという状況ですね」

波田貴幸 警部補
「そうなんです。官公庁や企業にもかかっています」

中山アナ
「今回は直前で被害を免れた女性にどんな手口だったのか話を聞くことができました」

◇ ◇

岡部さん
「もう警察って信じていますからね、最初の段階で。疑うってことをちょっとしなかったですね」

こう話すのは、鳥取市に住む岡部和子さん。

岡部さん
「私の名前を名乗って、東京のほうで携帯電話を新たに契約して、そこに17名の方が被害にあっておられますということで」

岡部さんは9月はじめごろ、警察を名乗る男から、岡部さん名義の携帯電話を使ったある事件に関与していることを知らされました。

岡部さん
「総務局と警察とがタイアップしていろいろなことを解決するために使っている回路があるから、そこから特別に岡部和子さんの解約をしてあげるということで…」

男に指示された通りラインアカウントを教え、メッセージでやり取りをすることに。男からは警察手帳や逮捕状の写真などが送られてきたといいます。

岡部さん
「私は全然信じていました。そんな詐欺とかってわからなかったです」

その後も男は本人確認という名目で、免許証などの写真を送るよう要求。岡部さんは写真を送ってしまったものの、現金の振り込みを求められた時に詐欺だと気づき幸い被害を免れました。

岡部さん
「絶対自分にはこないと思っていたし、そんなの関係ないと思って生きてきたし、だから本当にこの度でびっくりしました」

中山アナ
「直前で被害を免れた岡部さんのお話お聞きいただきました。改めてその手口こちらです。
・警察官を名乗る人物からの電話
・ラインへと誘導させたのち、警察官と信じ込ませるような写真を送る
・犯罪捜査の一環として振り込むよう誘導
といったものなのですが、今回はさらに詳しく見ていきたいのですが、犯人が送ってきた写真に注目なんですよね」

波田貴幸 警部補
「はい、こちら実際に送られた逮捕状や警察手帳の写真なんですが」

中山アナ
「いずれも私たち一般の人間からすると本物かなと思ってしまうのですが」

波田貴幸 警部補
「犯人から警察手帳の画像、逮捕状の画像などが送られていますが、パッと見ただけで偽物かどうかということは、判断ができないと思います」
「ただ画像をよく見ると、『警視庁』という箇所が印刷されていていますが、本物は彫り込まれています。また逮捕状を見てみても有効期限が1年と書かれていますが、実際はこんなに長いものは中々ないんです。こられによって偽物と判断できる材料にはなりますが、一般のこれらを見たとこない人からすれば信じてしまうと思います」

中山アナ
「本当によくもここまでといった感じなんですが、犯人から送られてくる一方で、免許証の写真を送るようを求められていましたよね?」

波田貴幸 警部補
「そうなんです、実は犯人側が、自分たちを警察だと信じ込ませようとして、『これがあなたが関与している事件の他の犯人の写真ですよ』と言って、ほかの被害者が送った写真を悪用したり、銀行口座を開設する時に使われたりするなど、次の犯罪に使われる可能性があります。つまり、送ってしまうと、今度はほかの詐欺で悪用されてしまうので本当に危険なんです。絶対に送らないでほしいし、その時点で詐欺だと気づいてほしいんです」

中山アナ
「つまり、送ってしまうと、悪用されるので絶対に送ってはいけないという事ですね。では、私たちはどういった対策ができるのでしょうか」

波田貴幸 警部補
「まず、大前提としてプラス(+)からはじまる番号や非通知・通知不可などからの着信は詐欺を疑ってください。そして警察がこのようなアカウントを使って捜査の呼びかけややり取りをすることは絶対にありませんし、顔写真の送信や口座番号を要求されることも絶対ありませんので詐欺だと思ってください。また、こういった詐欺は自動音声から掛かってくることもあります。自動音声が流れたら詐欺かもと注意していただきたいです」

中山アナ
「そして、プラス(+)からはじまる国際電話への対策もあるんですよね?」

波田貴幸 警部補
「はい。これが国際電話不取扱受付センターで固定電話限定とはなりますが、国際電話を掛かってこなくする、掛けれなくする無料サービスを受けることができます」

中山アナ
「不安に感じたらまずは近くの警察に相談。または専用ダイヤル「#9110」に電話相談してください」

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