中四国の健診センターで“初” レントゲン検診にAIシステムを導入 医師の負担軽減や診断の効率化へ 鳥取県
肺がん検診の精度を高めようと鳥取市の施設が中四国の健診センターで初めてとなるAIシステムを導入しました。
鳥取市の健診センターが今年9月、肺がんの検診精度を高めるため、新たな仕組みを取り入れました。これまで医師の目で行っていたレントゲン写真の画像診断。そこに、AIの技術を活用することで、肺がんの早期発見につなげます。
鳥取大学 中村廣繁 名誉教授
「レントゲンの検診というのは(肺がんの早期発見に)非常に重要な位置を占めますので、この胸部X線の問題点を解決してAI導入によって精度の高い検診を目指したい」
導入から約2か月で5000件以上の検診を行い、医師の負担軽減や診断の効率化といった効果も出ています。
異常を見つけたレントゲン写真に対し、AIが異常のある部分に色を付け、医師の判断をサポートする仕組みです。また、AIは自らの分析の確かさを色分けして示す機能も備えています。
医師とAIの連携に期待する中村医師。導入には別の狙いもあると話します。
鳥取大学 中村廣繁 名誉教授
「大体(検診で)精密検査と言われた人の半分くらいしか実際に精密検査を受けてくださっていない。AIが診断しているということは、それだけ異常の確信度が高いということですので、受診いただきたいと思っています」
今回取材したこの施設では、年間約10万件のレントゲン検査を行っているといいます。中村医師は、AIの最新技術が、深刻化する地方の医師不足の解消にも力を発揮するのではないかと期待しているということです。