【特集】気候変動と農業②「りんご」 日焼け,落果,品質低下…1,000億円産業の未来は 青森県
特集は「気候変動と農業」、これからの農業政策について考えます。
2回目の7日は1,000億円産業の「りんご」です。
記録的な猛暑の被害を受け従来の「担い手不足」に加え、恒久的な高温対策が大きな課題となっています。
県や現場の対応を取材しました。
ことしの記録的猛暑でりんごは実の色が変わる「日焼け」の被害が多発しました。
9月には中生種のジョナゴールドなどが自然に落果する被害も。
また秋になっても実が真っ赤に色づかないなどいつもの年より品質が落ちるりんごの割合が多くなっているといいます。
弘果 弘前中央青果會田一男 専務
「とにかくことしは今までにないような気候、皆さん初めての体験だと思いますのでそれに対応するだけでも大変な状況だったと思います 果肉が春先になって冷蔵庫から出てきたらどういうふうな変化をしているかちょっと心配されます」
県内の平均気温は20世紀の末には緑で示した5℃から10度の所がほとんどでしたが、農林水産省は2046年以降には黄緑で示した10℃~15℃に上昇すると予測しています。
この頃、本州では赤で示したりんごの栽培に適さない地域が増え北海道に適地が広がると予測しています。
この段階では青森は適地のままですが、国は対策を早い段階から進め将来のリスクを減らすよう呼びかけています。
こうした気候変動への対策として県は①基本的な高温対策②新品種開発③品種構成の変更の3つをあげています。
まずは基本的な高温対策について。
県りんご果樹課 松江利英 課長
「夏場の高温対策では基本的な葉つみを過度に早くしないということや支柱入れを控えるなど暑さ対策 日焼けしないような基本的なところをやっていただくことが技術的なものかなと」
続いて新品種の開発。
黒石市にある研究所では高温でも着色管理がしやすいりんごが開発されています。
りんご研究所品種開発部 木村佳子 部長
「こちらが紅はつみになります 紅はつみは高温でも比較的色が付きやすくてしかも収穫前落果がないので落果防止剤をかける必要がないといったメリットがあります」
「紅はつみ」は「つがる」と「さんさ」をかけあわせて開発された新品種で2018年に品種登録されました。
高温でも色が付きやすく「つがる」に代わる早生品種として期待されています。
今後は高温にも耐えられる新品種の開発も必要だとしています。
りんご研究所品種開発部 木村佳子 部長
「やっぱり高温でも柔らかくなりにくいとか色が付きやすいとかそういった品種の開発には取り組んでいかなければいけないと考えています 暑さに強いりんごと生産者の技術を併せ持ってこれからもりんごは作り続けていってほしい」
対策の3つ目は栽培する「品種構成の変更」です。
生産者は高温被害が特に大きい早生品種の栽培の見直しを迫られています。
りんご生産者 高橋哲史 さん
「9月の気温の高さが普通になってきた なので早生種を減らしてちょっともう少しあとの涼しくなってからの品種を増やすというのが1つ対策としてはできる」
一方、早生りんごの代わりにモモなどの気候に適した果物を栽培する対策もあります。
およそ30年前から「津軽の桃」のブランド化を進めてきた平川市の生産者は。
りんご・モモ生産者 木村俊雄 さん
「モモに対して適地適作になってきたと思っています やっぱり暑いほうがおいしいおいしいモモができる 気候に対しての作物は考えたほうが良いのではないかと思っています」
県は別の果物への転換も必要としながらりんごの生産量も維持したい考えです。
県りんご果樹課 松江利英 課長
「りんごも生産量これを維持したいということもありますので基本技術だったり品種をうまく組み合わせることで何とか生産を維持していくことができればと思っています」
県の基幹産業のりんごを未来へつなげるためにも高温対策を計画的に進めることが求められています。
シリーズ「気候変動」、8日はこれからの「漁業」を考えます。
2回目の7日は1,000億円産業の「りんご」です。
記録的な猛暑の被害を受け従来の「担い手不足」に加え、恒久的な高温対策が大きな課題となっています。
県や現場の対応を取材しました。
ことしの記録的猛暑でりんごは実の色が変わる「日焼け」の被害が多発しました。
9月には中生種のジョナゴールドなどが自然に落果する被害も。
また秋になっても実が真っ赤に色づかないなどいつもの年より品質が落ちるりんごの割合が多くなっているといいます。
弘果 弘前中央青果會田一男 専務
「とにかくことしは今までにないような気候、皆さん初めての体験だと思いますのでそれに対応するだけでも大変な状況だったと思います 果肉が春先になって冷蔵庫から出てきたらどういうふうな変化をしているかちょっと心配されます」
県内の平均気温は20世紀の末には緑で示した5℃から10度の所がほとんどでしたが、農林水産省は2046年以降には黄緑で示した10℃~15℃に上昇すると予測しています。
この頃、本州では赤で示したりんごの栽培に適さない地域が増え北海道に適地が広がると予測しています。
この段階では青森は適地のままですが、国は対策を早い段階から進め将来のリスクを減らすよう呼びかけています。
こうした気候変動への対策として県は①基本的な高温対策②新品種開発③品種構成の変更の3つをあげています。
まずは基本的な高温対策について。
県りんご果樹課 松江利英 課長
「夏場の高温対策では基本的な葉つみを過度に早くしないということや支柱入れを控えるなど暑さ対策 日焼けしないような基本的なところをやっていただくことが技術的なものかなと」
続いて新品種の開発。
黒石市にある研究所では高温でも着色管理がしやすいりんごが開発されています。
りんご研究所品種開発部 木村佳子 部長
「こちらが紅はつみになります 紅はつみは高温でも比較的色が付きやすくてしかも収穫前落果がないので落果防止剤をかける必要がないといったメリットがあります」
「紅はつみ」は「つがる」と「さんさ」をかけあわせて開発された新品種で2018年に品種登録されました。
高温でも色が付きやすく「つがる」に代わる早生品種として期待されています。
今後は高温にも耐えられる新品種の開発も必要だとしています。
りんご研究所品種開発部 木村佳子 部長
「やっぱり高温でも柔らかくなりにくいとか色が付きやすいとかそういった品種の開発には取り組んでいかなければいけないと考えています 暑さに強いりんごと生産者の技術を併せ持ってこれからもりんごは作り続けていってほしい」
対策の3つ目は栽培する「品種構成の変更」です。
生産者は高温被害が特に大きい早生品種の栽培の見直しを迫られています。
りんご生産者 高橋哲史 さん
「9月の気温の高さが普通になってきた なので早生種を減らしてちょっともう少しあとの涼しくなってからの品種を増やすというのが1つ対策としてはできる」
一方、早生りんごの代わりにモモなどの気候に適した果物を栽培する対策もあります。
およそ30年前から「津軽の桃」のブランド化を進めてきた平川市の生産者は。
りんご・モモ生産者 木村俊雄 さん
「モモに対して適地適作になってきたと思っています やっぱり暑いほうがおいしいおいしいモモができる 気候に対しての作物は考えたほうが良いのではないかと思っています」
県は別の果物への転換も必要としながらりんごの生産量も維持したい考えです。
県りんご果樹課 松江利英 課長
「りんごも生産量これを維持したいということもありますので基本技術だったり品種をうまく組み合わせることで何とか生産を維持していくことができればと思っています」
県の基幹産業のりんごを未来へつなげるためにも高温対策を計画的に進めることが求められています。
シリーズ「気候変動」、8日はこれからの「漁業」を考えます。
最終更新日:2024年12月11日 13:50