『シリーズ人口減少⑨深刻な運転手不足問題』今後の存続の形が問われる公共交通の未来
人口減少が進む高知県で、未来の社会の在り方を考える人口減少シリーズ。
今回は、運転手不足により今後の存続の形が問われる公共交通の未来について考えます。
高齢化の進む県内で県民の足としてなくてはならない存在、公共交通。
その公共交通を担うとさでん交通は、深刻な運転手不足を理由に、今年10月から高知市内を走る運行ルートのうち7つを減便することを7月5日に発表しました。
とさでん交通が出した試算では、高速バスや貸し切りバスを含めたとさでん交通のバス運転手は、2038年には現在の2割以下の32人まで減少するという衝撃的な数字になっています。
人口減少により大幅な就労人口の減少が予想される現在、路線バスの運転手不足の原因と未来について考えます。
路線バスの運転手として7年働いている西口恵司さん(46歳)は、20歳から運送業の世界に入り、39歳でとさでん交通に入社しました。
この日は午前7時40分の桟橋通発で南国市まで、昼過ぎと夕方を合わせ3本の便を運転しました。
とさでん交通によりますと、7月1日時点で路線バスの運転手は123人、現在の運行ルートを回していくには22人が不足しています。休日出勤や早朝、夜の時間外労働など従業員に負担をかける形でなんとかやりくりしている一方、ドライバーの時間外労働の上限を規制することで生じる問題、いわゆる物流・運送業界の「2024年問題」が対応を難しくしています。
ハードな仕事をこなす西口さん。運転手を続けられるのは公共交通としての使命感だと話します。
だからこそ、予定される減便には悲しさを感じています。
とさでん交通自動車運行課の西岡良晃課長は、運転手不足の原因として応募の少なさを挙げていて、バスを運転するための大型二種免許の取得者数の減少と、バス運転手の特殊な働き方が応募の減少の理由と考えています。
現状、1年間の応募者数は平均して3人ほどですが、現在の運行ルートを維持していくにはその3倍の10人程度が必要になるといいます。
運転手の確保に向けてさらなる働き方や処遇の改善を行いたい一方で、赤字部門である公共交通の経営状況や人員不足を理由に対応の難しさを話します。
これまで、インターネット上での募集広告や初任給の引き上げ、社員への大型二種免許の取得支援などは行っているものの、応募数は増加していないのが現状です。
高知市一宮東町のトーメン団地は、今年10月からのダイヤ改正で減便が決定した地域です。この地域は利用者の減少などを理由にダイヤ改正の議論のなかで一度路線の廃止が検討されていました。
自治会長の田村二郎さんは、せめて通勤・通学の時間帯だけでも残してほしいと話します。
約750人が住むトーメン団地を走る路線バスは、高校生などが朝夕に通勤・通学の足として日常使いしていますが、その一方で昼間の便では利用者が極めて少ないことも現状です。
田村さんは地域の足として路線バスを残すためには、利用者も積極的にバスを利用して支えていくことが必要だと訴えます。
地域の足を残してくために、いま出来ることは何か?私たちに問われています。
今回は、運転手不足により今後の存続の形が問われる公共交通の未来について考えます。
高齢化の進む県内で県民の足としてなくてはならない存在、公共交通。
その公共交通を担うとさでん交通は、深刻な運転手不足を理由に、今年10月から高知市内を走る運行ルートのうち7つを減便することを7月5日に発表しました。
とさでん交通が出した試算では、高速バスや貸し切りバスを含めたとさでん交通のバス運転手は、2038年には現在の2割以下の32人まで減少するという衝撃的な数字になっています。
人口減少により大幅な就労人口の減少が予想される現在、路線バスの運転手不足の原因と未来について考えます。
路線バスの運転手として7年働いている西口恵司さん(46歳)は、20歳から運送業の世界に入り、39歳でとさでん交通に入社しました。
この日は午前7時40分の桟橋通発で南国市まで、昼過ぎと夕方を合わせ3本の便を運転しました。
とさでん交通によりますと、7月1日時点で路線バスの運転手は123人、現在の運行ルートを回していくには22人が不足しています。休日出勤や早朝、夜の時間外労働など従業員に負担をかける形でなんとかやりくりしている一方、ドライバーの時間外労働の上限を規制することで生じる問題、いわゆる物流・運送業界の「2024年問題」が対応を難しくしています。
ハードな仕事をこなす西口さん。運転手を続けられるのは公共交通としての使命感だと話します。
だからこそ、予定される減便には悲しさを感じています。
とさでん交通自動車運行課の西岡良晃課長は、運転手不足の原因として応募の少なさを挙げていて、バスを運転するための大型二種免許の取得者数の減少と、バス運転手の特殊な働き方が応募の減少の理由と考えています。
現状、1年間の応募者数は平均して3人ほどですが、現在の運行ルートを維持していくにはその3倍の10人程度が必要になるといいます。
運転手の確保に向けてさらなる働き方や処遇の改善を行いたい一方で、赤字部門である公共交通の経営状況や人員不足を理由に対応の難しさを話します。
これまで、インターネット上での募集広告や初任給の引き上げ、社員への大型二種免許の取得支援などは行っているものの、応募数は増加していないのが現状です。
高知市一宮東町のトーメン団地は、今年10月からのダイヤ改正で減便が決定した地域です。この地域は利用者の減少などを理由にダイヤ改正の議論のなかで一度路線の廃止が検討されていました。
自治会長の田村二郎さんは、せめて通勤・通学の時間帯だけでも残してほしいと話します。
約750人が住むトーメン団地を走る路線バスは、高校生などが朝夕に通勤・通学の足として日常使いしていますが、その一方で昼間の便では利用者が極めて少ないことも現状です。
田村さんは地域の足として路線バスを残すためには、利用者も積極的にバスを利用して支えていくことが必要だと訴えます。
地域の足を残してくために、いま出来ることは何か?私たちに問われています。