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深刻な人員不足に期待の新人!路面電車の運転手さんは20歳の1年生!【高知】

2024年11月28日 18:53
深刻な人員不足に期待の新人!路面電車の運転手さんは20歳の1年生!【高知】
高知県民の足として欠かせない路面電車。今、運転士不足が深刻な問題になっています。
厳しい状況が続く中、今年資格試験に合格した男性がいます。夢だった運転士を目指す若者を追いました。

今年開通120周年を迎えた高知の路面電車。現在も運行する路面電車としては国内でもっとも古く、総延長は25キロあまりと日本最長。市民の通勤・通学の足として利用されています。

運営する「とさでん交通」は設立から10年の節目。
この節目の年に運転士を目指す人がいます。高知市出身の高橋凌河さん、二十歳です。
電車の運転士になることは子どものころからの夢でした。

高橋さんがとさでん交通に入社したのは高校卒業後の2022年4月。2年間の事務作業を経て、今年路面電車の運転免許証にあたる国家資格に挑戦しました。
9月の筆記試験に合格し、この日は実技試験前日の最後の練習です。
高橋さんが最後に練習したのは緊急時の対応。一人前の運転士になるためにとくに重要な練習です。

教官が見守る中、油圧ブレーキが壊れたり事故で緊急停止したときの対応を確認したりと、運行するうえで重要な作業をチェックしました。心配そうに見つめる指導教官、高橋さんに期待を寄せています。

■指導教官
「やる気があったのでありがたいというか頼もしい。お客様に喜んでもらえるような運転士になってもらいたい」

高橋さんのように運転士を目指す若者は貴重な存在です。とさでん交通によりますと、路面電車の運転士は2015年をピークに減少傾向にあり現在は運転士69人が電車を運行しています。

人員不足を背景にとさでん交通は今年8月、運行ダイヤを1割ほど減便。それでも現在のダイヤを維持するためには人員が9人不足していて、休日出勤や時間外勤務などで埋め合わせている状況です。

運転士の増員は喫緊の課題となっています。

11月4週目、とさでん交通の桟橋車庫に高橋さんの姿がありました。実技試験に無事合格し運転士免許を取得できたのです。今月から約3か月の研修期間に入り、先輩運転士の立会いのもと利用客を乗せての営業運転にのぞむ高橋さん。

緊張した面持ちで電車を走らせます。先輩からは細かいアドバイスも。
電停ごとに異なる停止する位置を越えないこと。車道と交差する場所では必ず目視で安全を確認すること。
利用客を安全に運ぶために覚える技術は数多くあります。

この日の運転は約40分。無事に終え、安堵の表情です。
研修期間は来年の1月下旬まで。その後の社内審査に合格すれば一人前の運転士として夢だった高知の線路を走ります。

県民の足として欠かせない路面電車。全国で人材不足が叫ばれる中で、高橋さんのような人材をいかに確保していくのか、今後の課題です。
最終更新日:2024年11月28日 18:53
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