【親子ひき逃げ死亡事件】移動販売用トラックの側面の板が開いたまま走行か 被害者の背後から衝突の可能性 逮捕された85歳の男は 「普段と変わらない様子だった」(静岡・沼津市)
(記者)
「容疑者が警察署から出てきました。大きく腰が曲がっている様子がわかります。ゆっくりと車に乗り込みます」
過失運転致死とひき逃げの疑いで22日朝、送検されたのは、沼津市大塚に住む魚販売業の男(85)です。
この事件は15日早朝、沼津市松長の路上で、近くに住む会社員の男性(33)と母親(59)が路上で重なるように倒れているのが発見され、その後、搬送先の病院で亡くなったものです。2人は自治会の班の「ごみ当番」で、カラス除けのネットを準備するため、ゴミ置き場の近くにいたとみられています。
ブレーキ痕も残されていなかった事件現場。警察は検問を実施。そして防犯カメラや目撃情報などから容疑者を特定。20日、容疑者の男を1.5トンのトラックを運転し、2人と衝突してけがをさせそのまま逃走した疑いで逮捕しました。
鮮魚店を営んでいるという容疑者。息子によりますと、毎朝5時過ぎに自宅を出発し、沼津港で仕入れた魚を販売していたといいます。さらに「事件当日も沼津港に行く途中だった」「帰ってきた後も様子はいつもと変わらなかった」「もし事故を起こしたのであれば本当に申し訳ない」と話しました。
容疑者を知る人は・・
(容疑者を知る人)
「優しくて子供を連れて店の前を通ると、飲み物を差し出してくれたり、優しい印象のおじさん」「立ち去るような人とは思っていなかった、悲しい気持ち」
また、事件を起こした後に容疑者を目撃した人によりますと「普段とは変わらない様子だった」ということです。
そして、事件の詳しい状況もわかってきました。捜査関係者によりますと、容疑者が乗っていたトラックは移動販売に使われる車で、側面の板が開くようになっているといいます。事件当時、その板が開いた状態のまま走行していて、被害者の背後からその板の部分が衝突した可能性が高く、被害者の背中周辺には骨折など大きな衝撃を受けた跡があったということです。
容疑者の男は、警察の調べに対し容疑を否認しているということです。