【物流ビジネスで日本初】ドローンによる医薬品有料配送サービス開始…目視できぬ範囲を補助者なし自動飛行(浜松市天竜区)
薬局がない過疎地にドローンで医薬品を配送する有料サービスが、浜松市天竜区で始まりました。機体を目視できない範囲を補助者なしで操縦する日本初の試みです。
25日、浜松市天竜区の上空を飛んでいたのは飛行機型のドローン。浜松市の協力を得て物流会社など5つの企業が開始したのは、薬局がない過疎地に医薬品を配送するサービスです。
これは天竜区の山間部にある診療所。眼科の診察を受けた患者がオンラインで話すのは、約11キロ離れた薬局の薬剤師です。
(薬剤師)
「目薬が出ていましたので、きょうは4本出ていましたのでね。続けてもらえればと思いますが、使った時に、目が赤くなったことはなかったですか?」
(患者)
「ないです」
(薬剤師)
「ないですね。大丈夫ですね」
オンラインで服薬の指導が終わると薬をドローンに積み込みます。操縦者が目視できない範囲を補助者なしに自動飛行するのは、物流ビジネスとしては日本初の試みです。薬を載せたドローンは、出発から10分ほどで診療所近くのグラウンドに到着。ドローンから薬が取り出され、すぐ近くにある診療所まで車で運ばれました。薬剤師から服薬の指導を受けてから約30分後、診療所に薬が届きました。
(看護師)
「お待たせいたしました」
1回の利用料は430円。これまで、診察を受けたその日に薬を受け取るには、患者自身が車やバスで往復1時間ほどかけて市街地の薬局まで出向く必要がありましたが、「即日配送」が可能になりました。
(薬を受け取った患者)
「便利ですよね。(薬局まで)行けない人もいるし」「すぐ薬がほしいときには待ってなくてもいいし」
(浜松市 デジタル・スマートシティ推進部 水谷 供子 部長)
「今は医薬品の配送サービスだけですが、これから、いろいろなサービスがこの航路を使ったかたちで出てくることを期待しています」「ドローンの性能が上がって、重たいものも運べるようになると、もっと、いろいろな可能性が増えてくると思います」
国は、河川の航路では日本初となる天竜川のドローン航路を、年度内に整備する方針で、浜松市は、将来的に、この航路を使って食材や日用品の配送も支援したい考えです。