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【地域に根差した病院】「清水さくら病院」が開院し外来受診スタート…移転に伴う“引っ越し”に密着(静岡市)

2025年3月3日 17:41
【地域に根差した病院】「清水さくら病院」が開院し外来受診スタート…移転に伴う“引っ越し”に密着(静岡市)

老朽化が問題となっていた静岡市清水区の「桜が丘病院」の移転先となる「清水さくら病院」が、3月1日に開院し、 3日から外来受診がスタート。移転に伴う”病院の引っ越し”に密着しました。

3月1日に開院したJR清水駅東口の「清水さくら病院」。老朽化が問題視されていた「桜が丘病院」の移転先となる病院で、地上7階建て 病床数は159床。院内は”サクラ”をイメージしたピンクの内装があしらわれているほか、1階部分は駐車場のみで、病院や駐車場の周辺には外壁を設置するなど、海から近いことで懸念されていた ”津波対策”も髄所に施されています。

2017年には、現在の清水庁舎がある場所に移転が計画されていたものの、移転先が津波浸水区域であることから一部の住民が猛反対し、一時計画が凍結するなど、完成を迎えるまでに紆余曲折があった「清水さくら病院」。3日から外来受診の受け付けもスタートし、地元住民をはじめ多くの患者が来院しました。

(外来患者)
「駅から乗り換えて桜ヶ丘病院まで行っていたので、距離的には楽になって良かった」「大切ですね、なくてはならない」

(外来患者)
「古くて引っ越すっていうから、えーって思ったけど、家の近くに来てくれたので非常に助かりました」

移転計画が浮上してから長い年月を経て、3月1日、待望の開院を迎えた新病院ですが、実は、数日前に移転前の”最後の難関”を迎えていました…。

開院2日前―。先週木曜日の「桜が丘病院」。

いつもと違う様子の院内は、職員が行き交いなんだか慌ただしい様子ですが、それもそのはず、この日は「引っ越し作業日」。命を預かる現場が新たな環境になるため、引っ越しは病院にとって一大イベント。2日間かけて医療機器の大移動を行います。

(病院スタッフ)
「これは捨てるんだったよね?」「それは捨てる、これは持っていく」

引っ越し作業では、診療科ごとに分かれて必要な機器を分別。地下室には、大量に積まれた段ボールと、新病院の「行き先」を表示するためのシールが置かれていて、職員らが、この部屋を往復しながら、段ボールに医療機器などを詰めていきます。

(病院スタッフ)
「ここから段ボールを持って行って箱詰めして、宛先を張って」
Q.今の進ちょくは?
「2割ぐらい」

専門の機器を多く取り扱うため、業者だけでなく病院スタッフも総出で、引っ越し作業に取り掛かります。

(病院スタッフ)
「発熱外来で患者さんを撮影していたカメラを取り外しています」「きょうが本番という感じ、今まで準備はしていたんですけど」

ここは歯科・口腔外科。患者に触れる機器は、段ボールに詰め込む前に、ほぼ、すべて、一度洗浄する作業も必要になります。

(病院職員)
「病院の引っ越しは初めてです」「きのうまで診察があったので、器具を洗浄してからでないと院外に持っていけないので、きょうも引っ越し作業と同時に洗う作業があったりして、結構大変です」

いつもは落ち着いた雰囲気の廊下も、この日は段ボールを持った人が右往左往。普段とは違う院内の様子に清掃スタッフも…。

(清掃スタッフ)
「きょう、すごくせわしないですよね、みんなバタバタしていて」

(清掃スタッフ)
「エレベーターも時間かかってるよね」「(移動に)すごく時間かかってる」

病院全体が引っ越し作業に追われるなか、特に慌ただしく作業していたのが「診察室」。引っ越し作業がある2日間は外来を休診し、診療に使う機器や書類などを、すべて運び出します。3つある診察室のうち1室だけでも、この段ボールの量。

(病院スタッフ)
「順調です、向こうに行ってすぐに分けられるように作業しています」
Q.半袖寒くないですか?
「大丈夫です、暑いです」「脱ぎました、先ほど、普段は長袖でカーディガン」

「桜が丘病院」での詰め込み作業に一区切りがついたら、順次、トラックが「清水さくら病院」へ。1日で10回以上もトラックが病院を往復し、運送業者が指定された階へ荷物を運びます。新病院は広大で入り組んだ構造になっているため、荷物を決められた場所に運ぶのにも一苦労。

(運送スタッフ)
「平面で、デカいから、結構大変ですね」

各部屋に荷物が運び込まれると、病院スタッフが立ち合い、機器の点検や配置場所を決めていきました。

(病院スタッフ)
「いよいよ開院ということで、使いやすい病院を目指したいなと職員一同頑張っています」

約100人の病院スタッフを総動員し、二日間かけて、医療機器の引っ越し作業が終了。開院日の3月1日、、入院患者の移動も完了し、3日、新たな病院としての第一歩を踏み出しました。森院長は「患者にやさしい療養環境を提供したい」と話します

(清水さくら病院 森 典子 院長)
「とりあえず出発ができて良かったと思っている」「今までと立ち位置としては変わらないが」「大きな病院と地域とを結ぶ、中間としての役割を、これからも果たしていこうと思っている」

災害時の避難先としての機能も兼ね備えている「清水さくら病院」。地域に根差した病院として、今後、どのような効果をもたらすのでしょうか。

最終更新日:2025年3月3日 17:43
    静岡第一テレビのニュース