目撃相次ぐ「冬眠しないクマ」聞いて納得その理由…酪大・佐藤教授が解説「冬に出ない」今は昔…
「冬になるとクマは冬眠する」。
そんな思い込みは捨てる必要がありそうです。
12月から北海道内各地でクマの出没が相次いでいます。
背景にあるのは「環境の変化」です。
2025年1月13日、ドライブレコーダーがとらえたのは雪原を飛び跳ねる黒い影。
体長1.5メートルほどのヒグマです。
車に気が付いたのか画面右側に立ち去りました。
場所は後志の積丹町。
住宅街からは離れていますが、500メートルほどの距離には小学校と中学校があります。
撮影した人はー
(撮影した人)「ここ2~3年、冬もクマが出るようになった」
こちらは1月9日、小平町で撮影された映像です。
住宅街を走り回る1頭のクマが映っていました。
(林記者)「ちょうどこのあたりがクマの目撃された場所ですが、すぐそばには多くの住宅が並んでいます」
季節外れのクマの出没に住民は警戒感を強めています。
(住民)「初めて聞いたからね、びっくりした。冬にクマが出るとは思っていなかった」
道内では12月からクマの目撃情報が31件も寄せられています。
なぜ冬眠しないクマが出没するのか、専門家はー
(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「雪がそれほど多くない地域があったと思いますので、そういう地域ではエサが雪に埋もれることなく、ちょっと掘り返せばどんぐりなんかを食べることができる地域も多かった」
秋にドングリなどが豊作だったことも冬眠が遅れている理由のひとつと考えられます。
そのうえでー
(酪農学園大学 佐藤喜和教授)「一般的にはクマが出歩いていない安心できる時期だと思いますが、このところの温暖化の影響とか、雪の降り方も例年と違うことが多いので、動いているクマがいるかもしれないということを念頭に置いて山に入ることが大事」
冬もクマの目撃が続く道内。
「クマは冬眠する」という思い込みを捨てて注意して行動する必要があります。