「パニックになった」ポストに偽物の逮捕状 370万円振り込む 被害者が詐欺の実態語る 札幌
警察官を名乗った特殊詐欺事件が1月に札幌市内でも発生しました。
現金およそ370万円をだまし取られた被害者の男性が犯行の手口を語りました。
男性は逮捕される可能性があると言われパニックになったなどと話していました。
(被害にあった男性)「(詐欺に遭い)老後のための資金だったのがなくなった。電話に対しての恐怖症がだんだん出てきたというような形で、これがいつまで続くのか分からない」
こう語るのは、詐欺被害にあって現金およそ370万円をだまし取られた70代の男性です。
1月、スマートフォンにある電話がかかってきたといいます。
「国際マネーロンダリング事件であなたが作ったカナダの口座が利用されている」「あなたは謝礼をもらっているはずだ」
男性によると1月17日ごろ、警視庁のサイバー局という架空の部署の「ヤマグチ」と名乗る男らから電話がきて、男性が持つお金が犯罪に使われているからチェックするため全額振り込んでほしいと言われました。
男らから逮捕する可能性があるとも言われ、電話の後に自宅のポストを見ると偽物の逮捕状が入っていたそうです。
(被害にあった男性)「完全にパニックになっている段階で、相手を疑うというよりは懸命に自分の無実はどうやって証明すればいいのか、そちらの方まで話がいってしまった」
話を信じた男性は、現金およそ370万円を指定の口座に振り込みましたが、その後の警察への相談で詐欺に気づいたということです。
(被害にあった男性)「自分はそんなのにひっかからないだろうというような安易な考えですね。懐にも体にもすごく負担がかかる。こういう詐欺はやめてほしいですね」
全国的に増え続ける特殊詐欺被害。
道内では2024年、198件の被害が確認され、被害額はおよそ7億6700万円に上ります。
2025年も既に46件、およそ7856万の被害が発生しています。
道警は、詐欺に遭わないために特殊詐欺の手口を知っておくことが大事だといいます。
(札幌西警察署 前田高伸生活安全課長)「いつ、どこで、誰が犯人から電話がかかってくるか分かりません。手口を知れば詐欺に気づきやすくなるので、ぜひそういうところを気にしてほしい」
多様化・巧妙化する詐欺の手口。
不審な点があればすぐに家族や警察に相談して、未然に防ぐことが大切です。