個人情報流出の札幌・中島中 説明会開くも経緯特定されず 保護者からは疑問の声も 北海道
札幌市の中島中学校で、生徒の個人情報が書かれた資料が放置され生徒が閲覧した問題で、学校側が保護者説明会を開きました。
しかし、放置された経緯は特定されず、保護者からは疑問の声も聞かれました。
(札幌市立中島中学校 小川厚志校長)「我々の誰か(教諭)がミスをした可能性もあるけど、ほかのことも考えられなくはないので、不用意なことは言えないと思う」
問題の原因について、明言を避けた中島中学校の小川校長。
生徒の個人情報が閲覧される問題が発生してから2か月が経ち、初めての保護者説明会が開かれたことを受け取材に応じました。
(札幌市立中島中学校 小川厚志校長)「調査しきれない部分が正直あって、我々も内部の調査をするが、(校舎内には)生徒や外部の方がいるので、そこに聞き取りはできないから調査が不可能ですよね?」
個人情報が書かれた資料は2024年5月、教卓の上に置かれたファイルにはさまれた状態で放置されているのを生徒が発見しました。
資料には12人の生徒について記載があり、保護者によりますと、医師の診断がないにもかかわらず、注意欠如・多動症を意味する「ADHD」などの記載もあったといいます。
生徒らが閲覧した資料は誰が放置したものなのか…
学校によりますと、個人情報が書かれた資料はコピーされ、5人の教諭に配布されたといいます。
校長の聞き取りに対し、3人の教諭が「シュレッダーで破棄した」と説明。
一方で、ほかの2人は「保管している」と回答し、保管されていた資料はすべて回収されました。
つまり、シュレッダーにかけられ破棄されたはずの1枚が、生徒の目に触れた資料となるのです。
(札幌市立中島中学校 小川厚志校長)「聞き取りを信じる。シュレッダーしたと言えばシュレッダーしたと信じざるを得ない」
保護者説明会では放置された経緯は明らかにされず、さらに、学校は資料について「放置したのではない」と言い訳を繰り返しました。
(札幌市立中島中学校 小川厚志校長)「そこにあると知っていて、置き去りにしたのなら放置だけども、自覚がなかったのでほったらかしにしたのではない。(ファイルの)あいだに挟まれていたので表面上は見えないですよね。気が付かなかったというのが数日間。取り出したら見えますよね、それがその日の数分間」
説明会に参加した保護者は不信感を募らせていました。
(保護者)「経緯は説明していただいたけど結局なにも分からない」
(保護者)「原因は分からないけど、今後は気を付けますというところで終わってしまったので、結局もやもや感は残ったままかなという印象」
専門家は相次ぐ個人情報流出について、学校側が原因となった教諭の特定に躊躇しているのではと指摘します。
(札幌学院大学 川原茂雄教授)「学校側の警戒心が姿勢として見えてしまうところがあった。事実関係についても、しっかり父母が納得するような説明を行うべきだし、そのことがこういったことが二度と起こらない再発防止にも必要な手続きではないか。よく分かりませんでしたは説明として非常に不十分かな」
中島中学校は生徒や保護者の信頼回復に取り組むとしていますが、原因を特定出来ぬまま有効な再発防止策を実行できるのか?
疑問は払しょくされませんでした。