地震後の「めまい」その原因は 保健師が被災した住民の聞き取り 建物の傾きなどでふらつき訴える人も 《新潟》
液状化現象などの被害があった新潟市西区では区役所の保健師が被災した住民やひとり暮らしの高齢者宅を訪問し健康状態を聞き取っています。
中にはめまいなどの症状を訴える人もいるといいます。その原因を専門家に聞きました。
15日、新潟市西区では区役所の保健師が高齢者の住宅をまわり健康状態を聞き取っていました。
<住民>
「地震のトラウマの方が大きいんじゃないかと思うんですけど」
<保健師>
「気持ちが沈んで食事がとれないとか困りごとがあったら、ここが区役所の福祉課になるので」「ありがとうございました」
新潟市西区役所では元日の地震以降、高齢者の住宅などを回り健康状態を聞き取りしています。
<住民>
「ありがたいなと思いました。気にしていただいて。気持ちがあの時の恐怖に戻っちゃうんですよね。このリビングで地震にあったんです。そのせいか普通になんでもない作業をしていていも揺れたかなとかなんかめまいがする感じが」
聞き取りで多かったのが、不安からくる体調不良や食欲不振、そして「めまい」だといいます。
新潟市北区の「いぬかい耳鼻科クリニック」です。
<いぬかい耳鼻科クリニック 犬飼賢也医院長>
「地震酔いと言われていて、地震のあと、地震が起こっていないのに、ふらつき感を感じる」
そう話すのは「めまい平衡医学会」の専門会員でもある犬飼賢也医院長です。
地震の発生以降、めまいの症状が悪化したという患者が10人ほど訪れています。
心理的な負担によって自律神経が乱れることなどが原因になるため、地震の映像を繰り返し見ないようにするなど刺激を減らすことが有効だといいます。
また、体調不良のもうひとつの原因が建物の傾きです。
<いぬかい耳鼻科クリニック 犬飼賢也医院長>
「耳からの情報はまっすぐだと言っているので足と目の方からは曲がっているという情報が来ますので、感覚混乱を起こすので」
犬飼医師によりますと耳のなかの器官は重力によりまっすぐに感じますが、体と視覚は斜めになっているため感覚が混乱し、めまいなどの不調につながるといいます。
日本建築学会によりますと建物が0.29度傾くと傾斜を感じ始め、0.6度でめまいや頭痛、2度から3度でさらに吐き気や食欲不振などを引き起こすということです。
新潟市西区でも液状化現象による被害が多かった地域ではめまいなどの症状を訴える人が多いといいます。
<新潟市西区役所・保健師 力石砂織さん>
「慣れてくるとなくなってくることもあるんですけど、個人差がありますので、まだまだ慣れずに気持ちが悪いなという方もありました」
西区役所では体調不良や不安を感じる場合はかかりつけの医師や、区役所の健康福祉課に相談してほしいとしています。