【潜入】地域航空会社「トキエア」就航前にキャスターが内部を取材 整備室にオペレーション室…コックピットにも! 《新潟》
2024年1月31日に北海道札幌市にある丘珠空港への就航を目指しています。
普段なかなか入ることができない整備室や倉庫、オペレーション室は一体どんな様子なのか…航空ファンに向けた見学会を取材しました。
報道関係者も参加者とともにコックピットの内部へ特別に入ることが許されたので、リポートします。
(報道記者・キャスター 斎藤久美子)
新潟空港の一番端にあるのがトキエアのチェックインカウンターです。
地上スタッフがスタンバイして始まったのは、「模擬チェックイン」。
本番さながらに見学会の参加者たちが特別なチケットを発行してもらっていました。
2023年11月23日に開かれた見学会は、トキエアのNFT(デジタルアート)を購入した人に向けたもので、いわば“有料ファンクラブ”の会員限定です。
抽選で選ばれた8人が参加しました。参加者は地元・新潟県在住のほか、関東や宮城県など様々でした。
■整備室に収納される部品の総額に仰天
迷路のような通路を抜け、最初に案内されたのは整備室。ここは初公開エリアです。
整備室…とは言っても、15台ほどのデスクとホワイトボードが置かれ、一見オフィスの事務室のようでした。
しかし、部屋の奥には天井まで届きそうな高さの棚が所狭しと並んでいます。そこには小さなクリアケースに仕分けされた様々な部品がびっしりと収納されていました。
ここで、担当者が「細かい部品が並んでいますが、総額1億2000万円程度です」と説明。
高価な物で一つ3000万円もするというので、いかに精密な部品なのかということが、よくわかりました。
■運航の頭脳 オペレーション室
飛行計画を作成する部門。キャプテンとディスパッチャー(運行管理者)が飛行にあたって、高度、搭載燃料、天気を確認するといいます。
ここは窓から滑走路が見られる部屋。壁際に6台ほどのモニターが設置されています。
それぞれ役割があるようで、縦型の一番大きなモニターには日本地図上に現在飛行中の飛行機が示されていました。
その両脇にあるモニターは天候を確認するためのもので、左は風、気温、気圧などを表示していて、右は雨雲レーダーを表示していました。
モニターの前には2台のマイクが設置されていて、飛行機内のキャプテンと直接情報交換を行います。
この部屋で、パイロットとCAの乗務スケジュールの確認も行われるということです。
■整備倉庫も初公開
整備倉庫とは、格納庫のことだと思っていたのですが、格納のスペースとは別だと教えてもらいました。整備に必要な大型の機材が保管されています。
カーリングのストーンを大きくしたようなものが大小6つ置かれていましたが、これは飛行機のタイヤでした。ゴムの部分は意外とつるんとしていて、ホイール部分は黄色や青色の鮮やかな部品がはめ込まれていました。
航空機のタイヤには窒素が入れられているとのことで、充填用の機械もありました。
■いよいよ機体の中へ コックピットに緊張!
実際の機体にも乗り込んだ参加者たち。シートベルトを締めて、機内アナウンスを聞いて、離陸前の気分を味わいました。
機内のシートについて参加者からは「LCCと違って意外とスペースにゆとりがある」と好感触な意見が聞かれました。
中には、乗務員の席に座り、機内アナウンスの体験をする参加者も。
今回の見学会で最も楽しみにしていたのがコックピット内部の見学です。
コックピットは取材が許可されていないエリアですが、今回は特別に写真をSNSに投稿しないことやテレビで放送しないことなどを条件として、記者たちも入ることが許されました。
ドキドキしながら踏み入れた空間は「狭い!」。
予想はしていたものの、上下左右にスイッチやレバーなど機械がびっしりと設置されていました。機械をまたぐように機長席へ座りました。
思っていたよりも厚みの薄い布製のシートでした。
座ると無数のボタンが迫ってくるようで、手を伸ばさなくても触れられる範囲に備わっています。窓が180度設置されていて、見晴らしも抜群でした。
■就航への期待
2時間半に渡って行われた見学会。参加者は期待が高まったようで、就航を待ち望む声が多く寄せられました。
トキエアは1月31日に札幌・丘珠空港、その後、仙台・中部国際(愛知)・神戸、さらに首都圏と新潟・佐渡を結ぶ路線の就航を目指しています。