【地震】復旧進むも事業再開をあきらめる人も ボランティアにより10日ぶりに車を搬出《新潟》
元日に発生した地震から1月11日で11日目。液状化による被害が相次いだ新潟市西区では閉じ込められていた車が10日ぶりに救出されました。ボランティア活動によって少しずつ復旧が進められていますが、同じ場所での事業再開を諦める人もいます。
新潟市西区では11日もボランティアが土砂の撤去作業を行っていました。
ボランティアの活動はこれまで善久地区が中心でしたが、11日から寺尾地区にエリアを拡大しました。
〈住民〉
「いろんな方が協力してくださって本当にありがたいです」
〈ボランティア〉
「人的被害が新潟は(ほとんど)なかった、だから声を出しずらい面もあるかもしれない。助けられるような仕組みが整っているので、声をあげてもらえればいい」
一方、こちらは余震や雨で土砂災害が発生するおそれがあるため、いまも避難指示が出ている新潟市西区大野。
〈ボランティア〉
「はい、そのまままっすぐ。あ、ちょっとこすってるけど、まあ、もう出ましょう」
災害ボランティアセンターから派遣された自動車整備士など技能を持った人たちによって10日ぶりに車が取り出されました。
家は車道側の地盤が70センチほど盛り上がり大きく傾いていました。
〈住人の姉〉
「避難所から出るのも(移動の)足がないとお風呂も行けないし買い物も行けない」
元日の地震で、一瞬にして家の中はめちゃくちゃになったと言います。
Q家の中も?
〈住人〉
「ぐちゃぐちゃですね。めちゃくちゃ。荒らされた状態。そんな感じ。揺れて、(高齢の)母親を出すのに精いっぱいで。台車に乗せて避難所に。やっと車が…いま出したところで、全然後のことは一つも進んでませんね。早く動いてもらえればね。住む所ないんで」
その隣に建つ韓国料理店「コッテジ」です。駐車場が大きく盛り上がり、建物の下には大きな穴…店は休業状態に。
店主の丁倉元さんです。店の中を見せてもらうと…
床には大きくひびが入り、壁には隙間が空いていました。
〈コッテジ 丁倉元さん〉
「この間測ってみたけど、ここから向こうに4センチくらい差があって。こちらは5センチで、土地らは3センチで…」
さらに、水道管が破裂したため、水も使えません。
こちらのペットボトルは常連客が届けてくれました。
〈コッテジ 丁倉元さん〉
「『できることがあれば駆け付けます。連絡ください』とか。『お水、店の前に置きました』とか」
他にも、「負けずに頑張ってください」など、再開を願う応援メッセージが届いていました。
店を開いて10年…学生やご近所、市外からも常連客が通う店でした。
いまは移転を考えていると言います。
〈コッテジ 丁倉元さん〉
「いま、何をすればいいのか…10年間分の無給休暇だなという感じで。10年間、休みもなく働いていたから、それで慰めてるけど。不安ですわ」
西区寺尾朝日通の住宅では…
〈関谷富子さん〉
「閉まらないんですよ。閉まらないので向こうからシート貼ってもうここ出入りができない」
建物全体が傾き、使えなくなってしまった玄関のドア。
さらに家の中も床と壁の間には隙間ができフローリングにはいくつも穴が開いてしまったといいます。
新潟市が行った応急危険度判定では「危険」の判定を受けました。
〈関谷富子さん〉
「赤でした。ショックですよ」
現在は、り災証明書発行のための詳しい調査を行っていますが工事のめどは立っていません。
〈関谷富子さん〉
「住めたらここに居たいですよ。私ここ一歩離れたら怖くて入れないかなと思って、頑張ってここにいますけど」
新潟市は応急危険度判定で「危険」とされた建物に立ち入る場合には専門家に相談し、応急措置をとるよう呼びかけています。