AIでクマ被害防止 草刈りロボットがクマの出没を検知 実用化を目指す 地域特有の課題解決へ《新潟》
庭先の雑草を誰でも簡単に刈れるようにと長岡市に住む男性が自動草刈りロボットの開発を進めています。
しかし、このロボット、草を刈るだけでなく、ことし全国的に問題となっているクマ被害の課題解決もしようというのです。
長岡市の山あい・栃尾地域。
プログラミングの仕事をしている水藤裕太さん(35)。ここで雑草を自動で刈るロボットを開発しています。
〈水藤裕太さん〉
「これがロボットになるんですけど、下に刃が2個ついていて、クルクル反対側に回って草を刈る内容になっています」
草刈りロボット「Roktrack」は、人工知能AIが搭載され、三角コーンを認識しながら指定された範囲の草を刈っていきます。安全確保のためカメラに人が映るとAIが検知。自動停止する仕組みになっています。
〈水藤裕太さん〉
「ここに引っ越してきて、とにかく草が大変ですぐ伸びてくるし、刈っても刈っても伸びますし、もっと簡単に高齢者とかでも使えるように新しいシステムが出来ないかなと思って作り始めた」
4年前までは東京の大手通信会社でITのシステム開発の管理業務をしていた愛知県出身の水藤さん。見附市出身の妻が里帰り出産したのを機におととし新潟へ移住。そこで庭先の草刈りの苦労を知り開発を始めました。
しかし、このロボット、ただ草を刈るだけではありません。AIを使ってクマの出没を知らせてくれるというのです。
〈水藤裕太さん〉
「ここの地域の人が困っているサルとかクマとかを検知するための監視カメラとして使えたら便利かなと思って作り始めました。カメラで撮った写真をAIで解析する技術を使っているのでパイロン(三角コーン)とか人以外にも学習させればなんでも検知できる」
AIにクマの画像を学習させ少しずつ検知できるようになったといいます。
(記者)
「実際にクマの写真をカメラに近づけてみます」
<ロボット>
『動物を検知しました』
<記者>
「このように動物が検知されましたと伝えてくれます」
クマを検知すると写真と合わせて連絡が。その画面には”BEAR”。クマが近くにいることを知らせてくれます。
クマの目撃情報が多い栃尾地域。
11月3日には畑で作業をしていた60代の女性がクマに左腕や頭などをひっかかれケガをしました。
水藤さんはこのロボットでクマ被害を防ぎたいといいます。
さらに現在は犬や猫など11種類の動物が検知できるといいますが精度はまだ5割ほど。研究を重ね実用化を目指します。
〈水藤裕太さん〉
「(地域の人は)最近はクマが怖いと、ごみ捨てに行くときとかに遭遇したらどうしようみたいなのがあるので怖いと、よりクマの脅威が自分事としてとらえてもらえるんじゃないかなと、地域の人の安全に寄与するんじゃないかなと思っています」
草刈りからクマの検知までできるこのロボット。山あいの地域特有の課題に今後、役立てられるかもしれません。