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【特集】豪雪地の“買い物弱者”を支える「雪国の救世主」 移動スーパーに一日密着《新潟》

2025年1月25日 20:02
【特集】豪雪地の“買い物弱者”を支える「雪国の救世主」 移動スーパーに一日密着《新潟》

全国屈指の豪雪地、魚沼市。ここには、高齢者などといったいわゆる「買い物弱者」の暮らしを支える“移動スーパー”があります。

雪深い集落で暮らす住民たちのもとを回り食品を届ける男性。 その1日に密着しました。

◆雪国の暮らしを支える“移動スーパー”

新潟県南魚沼市、とあるスーパーの営業時間前。カゴを手に、足早に店内を回る男性の姿がありました。

武川学さん、42歳。 魚沼市で移動スーパー「魚沼マルシェ」を営んでいます。

次から次へとカゴへ入れた商品は、 納豆食卓の定番・納豆です。 小粒からひきわり……さまざまな種類を選んでいきます。

【移動スーパー「魚沼マルシェ」武川学さん】
「(選ぶ)基準はだいたいその時のお客さんの好み。今日はこの納豆が好きな方がいらっしゃるので」

生鮮食品をはじめ、日持ちのする缶詰など次々と商品に手を伸ばす武川さん。この日仕入れた商品はカゴ9個分!

軽トラックには常時約500品の商品が並びます。今日も、お客さんのもとへ出発です。

◆積雪は2メートル超えの地域も

まず向かったのは旧広神村の三ツ又地区。
雪が降り続けるなか山道を進んでいきます。

両脇にのびる雪の壁……積雪は2メートルを超えていました。

雪道を進み、ようやく1軒目のお客さんのもとに到着。

◆冬場の生活の頼りに

週1回利用しているという夫婦です。

【妻】
「何買いましょうかね」

【夫】
「いろいろ」

【妻】
「いろいろ持ってきて下さるからありがたい」

お目当ての商品をかごに入れていきます。2人とも80代となり自分たちで買い物に行くことが難しくなったことから、6年前から利用を始めました。 特に冬場はこの移動スーパーが生活の頼りだと話します。

【夫】
「今もうこの人が来てくれなければどうしようもない」

【妻】
「(この地区では)たった1軒になったのに来て下さるからありがたい」

2人きりの生活の中、こうした買い物は特別な時間です。

【妻】
「ずーっと2人でしょう。色んな話聞いてもらったりして嬉しいよね」

◆雪国の生活支える武川さん

雪国の生活を支える移動スーパー。
休む間もなく次の目的地へ出発です。

神奈川県出身の武川さん。
2015年に地域おこし協力隊として妻の地元でもあった魚沼市に赴任……任期をおえた2018年に、移動スーパー「魚沼マルシェ」を始めました。

【移動スーパー「魚沼マルシェ」武川学さん】
「地域に対して何かやれることないかなと思って。地域に貢献できるような『移動販売』を始めました」

営業は月曜から金曜の週5日。仕入れから車の運転、販売まですべてひとりでこなします。 お客さんからリクエストを受けることもしばしばです。

【移動スーパー「魚沼マルシェ」武川学さん】
「これはお客さんの持ってきて欲しいもののメモ。『いまちょっと無いです』をなくしたい」

「ほしいものより、ほしくなるもの」。 武川さんのモットーです。

◆魚沼市は約3人に1人が高齢者

武川さんが次に向かったのは、雪深い旧湯之谷村。2年前に車の運転免許を返納したという84歳の女性が、 到着を待っている人がいました。

【女性】
「おじいちゃんと2人だから1週間に1回来てもらっている」

生鮮食品を中心に、カゴはすぐいっぱいになりました。

魚沼市の高齢化率は39.3パーセント。 およそ3人にひとりが65歳以上の高齢者です。

過疎化が進めば、冬場の買い物はより難しくなることが予想されます。

◆住民たちとの触れ合いがやりがいに

移動スーパーを営む武川さん。 7年前に購入した軽トラックの走行距離は16万キロに達しました。

【移動スーパー「魚沼マルシェ」武川学さん】
「大変だと思ったこと1回もないので。すごく充実してやっています」

雪が降るなか、武川さんはこの日およそ20軒を回りました。

この春で8年目を迎える移動スーパー「魚沼マルシェ」。 住民たちとの触れ合いが何よりのやりがいです。

【移動スーパー 「魚沼マルシェ」店主 武川学さん】
「いろんな人と出会えることがすごく魅力的だと思います。ストレートに感謝されることもモチベーションになりますし、少しでも地域の方、ご高齢の方に利用してもらえるように頑張っていこうかなと」

商品とともに、買い物を楽しむひとときを届ける「魚沼マルシェ」。

きょうも街を駆け巡り、雪国の暮らしを支えます。

最終更新日:2025年1月25日 20:02
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