敏感で感受性が強い子供「HSC」とは 周囲の理解で過ごしやすく 大分
「HSP」や「HSC」という言葉をご存知でしょうか。「HSP」はHighlySensitivePerson「人一倍、繊細な人」。
「HSC」はChild。「人一倍、繊細な子供」のことを指します。
「HSP」や「HSC」を提唱したアメリカの心理学者は5人に1人が当てはまるとしています。
国の調査によりますと、大分県内の2023年度の不登校の児童と生徒の数は3859人。記録が残っている1999年以降で、過去最多となっています。
実はこの「HSC」は不登校の要因のひとつとも言われているんです。
このHSCへの理解が広がることで子供たちがもっと生きやすい社会になると言われています。HSCはどういった特徴があるのか当事者や専門家に聞きました。
◆フリースクールに通う高校生(17歳)
「人の目がかなり気になっちゃって。もともとけっこう人の気持ちを深読みしてしまう癖があって、本当はどう思ってるんだろうみたいな感じで」
こう話すのはHSCだという17歳の高校生。中学1年生の時に不登校になり中学2年生から大分市のフリースクールに通っています。
◆フリースクールに通う高校生(17歳)
「私、嫌われてるのかなとか、かなり強く考えてしまうようになって行けなくなっちゃって」
「実際には言われてないけど嫌いなのかな嫌われてるのかなみたいな、不安になってしまった」
12日不登校の子供たちの心理カウンセリングなどを行っているクリニックです。
HSCの子供たちの相談が最近増えているそうですが医師はHSCは病気では無いと指摘します。
◆府内大橋こどもクリニック 山口智之院長
「よく言われるのが過敏なお子さんという、どうしても他人の目が気になるとか、 他人にどう思われているのかが気になるというお子さんが最近多い。そういう困りを抱えている人は 増えていると思うし、気付かれやすくなってきた」
集団行動や、人前でしゃべるのが苦手だったという彼女。いまは12月に迫ったイベントの準備に励んでいます。
フリースクールに通うようになり、変わったと話します。
◆フリースクールに通う高校生(17歳)
「すごく楽しい。いろんな人と分け隔てなく話すようにはなった」
フリースクールの代表は、HSCは敏感な気質のため他人に対して優しい面もあると言います。
◆あすらん 片原由貴子代表理事
「敏感で辛いと思うが、それをうまく生かせば自分の強みにもなるし、人のために動くことが出来たりするのはかなり変わってくる」
「彼女はやはりすごく成長して、人のために何をしたらいいのかを考えられるようになったのは大きな成長」
フリースクールでは、積極的に年下の子供たちとも交流しているという彼女。
同じような特徴を持つ人へ伝えたいことを聞きました。
◆フリースクールに通う高校生(17歳)
「人の目が気になったりとか不安になっちゃって、 嫌われてないかなとか思うこと があると思うが、別に悪いことではないので全然。むしろそれは本人の優しさではあるので大丈夫だよと言ってあげたい」
皆さんの周りにも「HSC」の特徴に悩む子供たちがいるかもしれません。
取材させていただいたクリニックの山口医師は、「敏感な気質により生活に支障が出ている場合は、HSCの可能性があると思ってほしい」と話しています。
医師によりますと、HSCの子供は音に敏感な子が多いそうで例えば学校生活の中では音楽の時間や運動会、給食の時間が苦手ということがあるそうです。
その場合、どのように対応してあげればよいのでしょうか。
医師は、その子供が苦手としていることについては「そのうち慣れるだろう」などと、無理にさせるのではなく、学校と話をして配慮してもらうことも必要だと言います。
また、以前に比べHSCに対する認知は広がりつつあるものの、「わがまま」などと捉えられることもあるため周囲の理解が大切だと話しています。